メジャーエンブレム引退……世代屈指の素質馬も故障には勝てず、枯渇する古馬牝馬路線
昨年のNHKマイルCを制したメジャーエンブレム(牝4 美浦・田村厩舎)が引退することが、4日分かった。同馬を所有するサンデーサラブレッドクラブ公式サイトが発表した。
昨春のNHKマイルCでG1競走2勝目を飾ったものの、その後左後肢にアクシデントが起こり、休養を発表。その後は復帰に向け調整が進められたが、その後左前肢の蹄にもダメージを受けるなど、トラブルが相次いだ末の引退である。
サンデーサラブレッドクラブによれば同馬引退は「競走能力喪失」が原因ということだ。直接の原因が定かでない中でそう診断されたようだが、すでに競走馬としての肉体的、精神的能力が失われたという判断なのかもしれない。
メジャーエンブレムは2歳時に阪神JFを制し2歳女王として大きな期待を抱かれていた。3歳春にはシンハライト、ジュエラーとともに「牝馬3強」を形成し空前のハイレベル戦を期待されていたが、後にシンハライトが故障引退、メジャーエンブレムも今回引退となり、残ったのは骨折から復帰したジュエラーのみとなってしまった。「3強」に関してはもう影も形もない。
古馬牝馬ではすでに女王格であるマリアライトが引退し、ショウナンパンドラやストレイトガールもターフを去っている。残るはミッキークイーンやヌーヴォレコルト、クイーンズリングあたりだが、ここに新4歳牝馬の強豪の大半が入ってこないのは非常に残念だ。ジュエラーの奮起、秋華賞馬ヴィブロスの活躍に期待したいところである。