嵐・相葉雅紀も、武豊も大絶賛のC.ルメール「伝説」の神騎乗! デムーロ×ルメールの「ライバル関係崩壊」を告げた2017年日本ダービー(G1)のドラマ
2015年に外国人騎手として史上初のJRA移籍を同時に果たした、ルメール騎手とデムーロ騎手。競馬ファンに「外国人騎手といえば?」と質問すれば、まずこの2人の名が挙がるほど、すでに日本でも有名であり、同時に2人は日本最強の外国人騎手の座を巡るライバル関係にもあった。
この2人の特徴は明らかだった。日本参戦3年目に重賞初制覇を飾ると、その2年後にはネオユニヴァースとのコンビで皐月賞(G1)と日本ダービーを勝ち、三冠獲りにも挑んだデムーロ騎手は典型的な大舞台に強いジョッキー。
一方のルメール騎手は、その手腕こそ誰もが認めるものの、重賞で人気馬に騎乗しては敗れ続け、初重賞がディープインパクトを破った有馬記念(G1)まで遅れるなど、日本の大舞台でどこか勝ち切れない騎手だった。
お互いにとってJRA移籍3年目となった2017年の日本ダービー。芝のG1レースの勝利から約半年間遠ざかっていたデムーロ騎手に対して、ルメール騎手はヴィクトリアマイル、オークスと2週連続のG1制覇。日本ダービーで3週連続のG1制覇に挑むなど、かつての勝負弱さが嘘のような絶頂期だった。
そんな状況で迎えた日本ダービーは、デムーロ騎手のアドミラブルが1番人気、ルメール騎手のレイデオロが2番人気と、まさに一騎打ちの状態。特にデムーロ騎手にとっては、勢いに乗るライバルを止めるためにも、負けられない一戦だった。
だが、結果は冒頭で触れた通り、向正面で積極的に進出したルメール騎手の「神騎乗」によってレイデオロが勝利。デムーロ騎手のアドミラブルは3着に敗れたが、イタリア人騎手がレース後、最初に呟いたのは「ついてない……」という言葉だった。
「ペースがめっちゃ遅かった」と話している通り、極端なスローペースはデムーロ騎手も当然気付いていた。アドミラブルのポジションはルメール騎手が「絶対に勝つことができない」と話したレイデオロの14番手より、さらに後ろの17番手。「勝つためには向正面で分かっていて(ルメールと)一緒に行きたかった」との言葉通り、やるべきことは決まっていた。
しかし、デムーロ騎手が動こうとしたその刹那、レイデオロとアドミラブルの間に割り込んだ馬がいた。それは皮肉にも、皐月賞でデムーロ騎手とコンビを組んでいたペルシアンナイトだった。