グランアレグリア、デゼル脱落の「社台グループ生産馬」に激走サイン!? ヴィクトリアマイル(G1)で波乱を呼ぶ穴馬
以上の傾向から残ったのは2頭のみ。グランアレグリアとマジックキャッスルである。
ただしグランアレグリアにはひとつ厳しいデータがある。前走がG1レースだった馬の苦戦だ。前述の15頭で、前走がG1レースだった馬は有馬記念以来のアーモンドアイと高松宮記念だったノームコア、さらに2年連続でドバイ遠征帰りだったブエナビスタのみ。さすがにG1レース後の反動も懸念されるし、他のドバイなど海外遠征組もすべて敗退している。
グランアレグリアは4月4日の大阪杯以来で十分な間隔があったとは言い難く、かなりの激戦だったことを考えると、やはり見えない疲れが懸念される。
以上の傾向から、今年のヴィクトリアマイルで注目すべき社台グループの生産馬は「マジックキャッスル」だ。
3歳時は東京のマイル重賞クイーンC(G3)で2着、その後は秋華賞(G1)2着、愛知杯(G3)1着、阪神牝馬S(G2)2着と実績もローテーションも申し分ない。
前走の阪神牝馬Sは、デゼルを上回る上がり32秒4の最速を記録して同タイムの2着に好走しており、時計勝負も歓迎。しかも今回は関東圏のレースなので輸送の負担も軽減される。
父ディープインパクト産駒はヴィクトリアマイルで最多タイの4勝と相性が良く、同馬を生産した社台ファームは、今年の古馬牝馬重賞で3勝(愛知杯・中山牝馬S・阪神牝馬S)と勢いに乗っている。グランアレグリアとデゼルの対決が注目を集める今年のヴィクトリアマイルは、その2頭ではなく「マジックキャッスル」こそが狙いだ。(文=仙谷コウタ)
<著者プロフィール>
初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。