JRA【オークス(G1)展望】無敗女王ソダシVS三冠結晶アカイトリノムスメの紅白樫合戦!? 武豊クールキャット急浮上も、今年は金子真人オーナーの運動会 ★上位人気馬予想オッズ付き★
23日には牝馬クラシックの第2弾、オークス(G1)が東京競馬場で行われる。昨年のデアリングタクトに続き、無敗の2冠牝馬は誕生するのか、それともそれを阻止する馬は現れるのか。メンバーを見る限り、金子真人氏所有の2頭による争いが濃厚だ。
★上位人気馬の単勝予想オッズ★
・ソダシ 1.9倍
・アカイトリノムスメ 3.8倍
・ファインルージュ 10.5倍
・クールキャット 12.0倍
・ユーバーレーベン 13.5倍
1番人気は白毛のアイドルホース、ソダシ(牝3歳、栗東・須貝尚介厩舎)で間違いないだろう。阪神JF(G1)勝利から、ぶっつけで臨んだ桜花賞(G1)は馬場の高速化が嫌われたか、レース直前に1番人気から2番人気に支持を落とした。しかし、レースでは好スタートを切ると、好位3番手を先行。阪神の長い直線で早めに抜け出すと、しぶとく粘ってサトノレイナスの強襲をクビ差しのいだ。
そのサトノレイナスは次週の日本ダービー(G1)への参戦が決まったため、最大のライバル不在となる今回は単勝オッズもおそらく2倍を切ってくるだろう。桜花賞後も在厩で調整され、2週前追い切りは坂路で好時計をマーク。1週前追い切りはCWで、3頭で併せられ最先着を果たした。
デビューから手綱を取る吉田隼人騎手は通算1000勝を達成し、勢いに乗る。ミスオンワード、デアリングタクトに次ぐ史上3頭目の無敗での牝馬2冠達成へ、あとは無事に最終追い切りを迎えるだけだ。
そんなソダシにも不安がないわけではない。父は多くのG1馬を輩出してきたクロフネだが、その産駒はこれまで距離の壁に泣かされてきた。JRAの芝G1通算9勝は全てマイル以下。2000m以上のG1は勝ったことがない。ソダシはデビュー戦と札幌2歳Sで1800mを勝っており、世代限定戦なら距離の壁を克服できるだろうか。
サトノレイナス不在で打倒ソダシの1番手に浮上したのが、同じ金子オーナーのアカイトリノムスメ(牝3歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。桜花賞4着、そして東京のコース実績も手伝って2番人気が予想される。
800mの距離延長が、この馬を味方する可能性が高そうだ。クロフネ産駒のソダシに対し、アカイトリノムスメはディープインパクト産駒。なにより母のアパパネ自身が距離不安も囁かれたオークスで距離を克服している(サンテミリオンと1着同着)。
東京は走り慣れたコースで、これまで3戦3勝。国枝調教師も「左利き」と評しているように、ソダシを逆転するならここしかない。
そしてサトノレイナスのダービー出走によってC.ルメール騎手への乗り替わりが実現。白毛馬ソダシとの“紅白対決”で、紅組に軍配が上がっても何ら不思議はないだろう。
桜花賞でアカイトリノムスメに先着したファインルージュ(牝3歳、美浦・木村哲也厩舎)も、やはり距離延長がカギとなる。
1200mでデビュー後は、1400m、1600mと徐々に距離を延ばし、結果を残してきた。しかし、母のパシオンルージュは現役時代に3勝を挙げたが、うち2勝が新潟の千直というスピード馬だった。同世代相手とはいえ、800mの距離延長には不安の方が大きい。
鞍上を務めるのは、オークス3勝を誇る福永祐一騎手。2004~07年の4年間で3勝したが、その後は10連敗中で、馬券に絡んだのも09年のジェルミナル(3着)を最後に遠ざかっている。“オークス男”の本領発揮はなるか。