JRAオークス(G1)桜花賞馬ソダシに厳しい現実「125頭挑戦も未勝利」「2年で44戦1勝」最大の試練となる2400mの適性を徹底検証

ソダシ 撮影:Ruriko.I

 いよいよ週末に迫った大一番オークス(G1)に日本中が注目している。その主役であるソダシが桜花賞に続いて勝つことができるかどうか、ポイントとなるのは距離適性だろう。

 実績や能力では、現時点で抜けた存在である。しかしながら、桜花賞の1600mから2400mへの距離延長はプラスとなるのかマイナスとなるのか。その適性次第で勝利も惜敗も、さらには大敗もあり得る。

 今回はソダシがこの2400mを克服できるかどうか、ここではその適性を様々な視点から探ってみた。


■血統

 まず重視されるのが「血統」だ。これは様々な場所で検証されているが、父クロフネは1600mのNHKマイルC(G1)を勝利するも、2400mの日本ダービー(G1)は5着だった。種牡馬として産駒は1200~1600mで活躍し、高松宮記念(G1)とスプリンターズS(G1)を制したカレンチャンやスリープレスナイトがJRA賞最優秀短距離馬を受賞し、マイルのG1レースを勝利したアエロリット、フサイチリシャール、ホエールキャプチャ、クラリティスカイからも、やはりベストは1200~1600mという見方が一般的だ。

 ただ実のところクロフネ産駒の全体的な長距離成績は悪くない。芝2400mは160戦して10勝で勝率6.2%、芝2500m以上は119戦して13勝で勝率10.9%という内容。芝1200mの勝率8.3%、芝1600mの勝率7.5%よりも高いのだから、これだけを見れば十分オークスの2400mもこなせるのではないかと考えるファンもいるだろう。

 しかし、その成績はオープン特別以下の下級条件の話である。JRAの平地重賞レースは合計40勝しているものの、勝利はすべて1800m以下であり、2000m以上の重賞レースは延べ125頭が挑戦して未勝利。芝2400mのG1レースに絞ってもブラックシェルが日本ダービーで3着、ホエールキャプチャがオークスで3着が精一杯で、少頭数や能力の違いから下級条件で勝利できても、重賞級となれば未勝利というのが現実。この内容からもクロフネ産駒の距離延長は明らかにマイナスだ。

 また母の父キングカメハメハを見てみても、あまり良好とは言えない。ソダシと同じ父クロフネ×母の父キングカメハメハの配合や、キングカメハメハ以外のMr.Prospector系との配合を持つ馬は、芝もダートも1400~1800mに良績が集中しており、上位クラスの芝2000m以上で結果を残した馬はいない。

 この時点で血統的に推せる材料は、ほぼゼロと言っていいだろう。


■騎手

 次にソダシの鞍上である「吉田隼人騎手」の長距離成績を見てみよう。今年の吉田隼人騎手の芝2400m以上の成績は16回騎乗して【1.2.3.10】で勝率は6.3%。2020年は28回の騎乗で【0.6.5.17】で未勝利。つまりここ2年で44戦1勝と得意とはいえない成績となっている。ちなみに最も得意としているのは芝1800mで、過去2年の成績を見ても今年は勝率17.6%、昨年は23%とすべての距離の中で抜けて安定している。鞍上という観点からも、この2400mという距離はマイナスだ。

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