JRA東京優駿(G1)エフフォーリアと勝負付け済んだ? 皐月賞(G1)組がまさかの低評価……昨年ダービー3着ヴェルトライゼンデと「酷似」する穴馬とは
30日、東京競馬場で行われる日本ダービー(G1)は、「エフフォーリア1強」の様相を呈している。前日14時時点のオッズは1.8倍の断然人気で、皐月賞に続く2冠達成なるかどうかが最大の関心事といえるだろう。
これに続くのが桜花賞2着から参戦のサトノレイナス、そして青葉賞(G2)を勝ったワンダフルタウン。以下、毎日杯から直行のグレートマジシャンとシャフリヤールが4~5番人気、そしてようやく皐月賞組のディープモンスター、タイトルホルダー、ステラヴェローチェが6~8番人気で続く形だ。
その皐月賞を改めて振り返っておこう。ダノンザキッドに次ぐ2番人気に支持されたエフフォーリアは、好発から道中はインの4番手を追走。直線で最内を突くと、2着に逃げ粘ったタイトルホルダーに3馬身差をつける圧勝劇だった。距離が2ハロン延びるダービーは、この3馬身の間に別路線組が入るだろうというのが大方の見方だ。
「確かにエフフォーリアは皐月賞でその実力を見せつけ、2着以下との勝負付けは済んだと思います。しかし、4角で上手く進路が開いたこと、直線は結果的に最も伸びたインを通ったことを鑑みれば、かなり恵まれた結果の3馬身差だったのではないでしょうか。
エフフォーリアと未対戦の別路線組が人気を集めるのは必然だと思いますが、ここは素直に皐月賞組の中から400mの距離延長をプラスにできる馬を探すのも手かもしれません。実は今年の皐月賞組には昨年のダービー3着馬ヴェルトライゼンデによく似た馬が出走しています」(競馬誌ライター)
昨年のダービーは1番人気コントレイルが圧勝。2着に2番人気サリオスが入り、10番人気のヴェルトライゼンデが3着に好走した。
そのヴェルトライゼンデと酷似する馬というのが1枠2番に入ったヴィクティファルス(牡3歳、栗東・池添学厩舎)だ。
奇しくも鞍上はヴェルトライゼンデと同じ池添謙一騎手で、スプリングS(G2)から皐月賞という臨戦過程も同じだ。ヴェルトライゼンデは皐月賞で4番人気に支持されたが8着に敗れ、ダービーで不当に人気を落としていた。一方のヴィクティファルスも皐月賞で同じ4番人気に支持されたが、エフフォーリアから1秒5離された9着に敗れ、ダービーでは前日14時時点で14番人気と大きく人気を落としている。
しかし、2ハロンの距離延長はマイナスにはならないはずだ。父ハーツクライ、母の父ガリレオという血統は明らかに2000mより2400m向き。さらにキャリア1戦で臨んだ3走前の共同通信杯(G3)ではスタートで他馬と接触する不利がありながら、エフフォーリアとは0秒4差だった。
昨年のヴェルトライゼンデもダービーで3枠6番という好枠からうまく立ち回っての3着。2番に入ったヴィクティファルスはすぐ内のエフフォーリアを見ながら競馬ができる。
大舞台で無類の勝負強さを発揮する池添騎手は昨年に続く、“二匹目のどじょう”を狙っているはずだ。(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。