JRA「申し訳ありません」横山武史エフフォーリア「血の宿命」の2着……日本ダービー(G1)単勝1.7倍も3世代連続2着に安藤勝己氏「宿題ができた」

「あくまで結果論ですが、その1枠1番が逆に難しいレースを招いたようにも思えます。好枠を活かして好スタートを決め、1コーナーを3番手で入ったエフフォーリアですが、横山武騎手が『流れが遅い中、少し力んでいました』と振り返った通り、少し行きたがったので手綱を引くことに。そこへ外から次々と他馬に被せられ、4コーナーは9番手までポジションを下げています。

最後の直線では上手く前が開き、横山武騎手も馬場の良いところに持ち出したんですが、結果的にシャフリヤールの目標にされる展開になってしまいました。着差がハナ差だっただけに、もう少しスムーズなレースができていれば結果が変わった可能性は否めませんね」(別の記者)

 レースでは、最後の直線で一度は抜け出したものの、後方にいたシャフリヤールがゴール手前で強襲。最後は叩き合いになり、わずかハナ差で世代の頂点を逃してしまった。

「惜しい2着だったエフフォーリアですが、実は父のエピファネイア、母の父ハーツクライ、父の父シンボリクリスエスが共にダービーで2着に敗れているんですよね。まさかとは思いましたが、またも2着とは……。

もっと言えば、横山典弘騎手が初めて日本ダービーで1番人気になったメジロライアンの1990年も2着。レース後に福永騎手も『(どっちが勝ったのか)わからなかった』と話していましたし、エフフォーリアが最後の最後でかわされてしまったことに因縁めいたものを感じずにはいられません」(競馬記者)

 この結果には、元JRA騎手の安藤勝己氏も自身のTwitterで「着順以外は最高の競馬。武史に宿題ができただけ」と5年目の若手騎手のさらなる成長に期待を寄せている。

 “血”の宿命を打ち破れずに2着に敗れた横山武騎手とエフフォーリアだが、父エピファネイアはその後に菊花賞(G1)とジャパンC(G1)を制し、母の父ハーツクライは有馬記念(G1)でディープインパクトを破り、父の父シンボリクリスエスも天皇賞・秋(G1)連覇など輝かしい成績を残した。

 また、横山武騎手の父・横山典弘騎手も2009年にロジユニヴァースで悲願のダービージョッキーに輝き、2014年のワンアンドオンリーで2勝目を挙げている。

「人気に応えることができず申し訳ありません。最後は勝ち馬に切れ負けしてしまいました」

 レース後、そう悔しさ露にした横山武騎手。しかし、エフフォーリアとの物語はまだ始まったばかりだ。(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

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