川田将雅「迷惑騎乗」にファンの不満が爆発!? 吉田隼人は日本ダービー(G1)で“ソダシ潰し”のリベンジ成功、割を食ったのはまたしても金子オーナーのヨーホーレイク
先週、東京競馬場で行われた日本ダービー(G1)は、シャフリヤールと福永祐一騎手のコンビが無敗二冠を狙った横山武史騎手とエフフォーリアの野望を阻止。福永騎手が過去、幾度も跳ね返されて来たダービージョッキーという壁の高さを若手騎手に教える結果となった。
『スポーツニッポン』の報じた内容によると、2着に敗れた横山武騎手の肩をC.ルメール騎手が叩き、川田将雅騎手はハグで労ったとのこと。勝ち馬シャフリヤールとはわずかハナ差10cmの明暗。22歳でダービーの底知れないプレッシャーと対峙した若武者の心中を案じた。
紅一点・牝馬のサトノレイナスで5着のルメール騎手は「完璧なレースではありませんでした」と振り返ったとはいえ、パートナーはデビューから4戦すべて出遅れていたようにスタートが得意と言えない馬。ダービーという大舞台で初めて“好スタート”を決めた豪胆さは見事のひと言である。力及ばず敗れたが、8枠16番という外枠ではなく、もう少し内を引いていたらと思えた内容だった。
これに対し、ヨーホーレイク(牡3、栗東・友道康夫厩舎)で7着の川田騎手は、本人も「随分と力んで走っていました。うまく乗ることが出来ませんでした」と、反省の弁を述べたように、勿体ない騎乗だったかもしれない。
17頭立てのレース。川田騎手はヨーホーレイクを内目の中団へと誘導した。その後、スローで馬群が詰まり気味だったこともあったのか、今度は外目に移動して進路の確保を視野に入れていくポジション取りに変更。ただ、外にはワンダフルタウン、グレートマジシャンがいたため、押し返される格好に。
ポイントとなったのは3コーナー手前。アドマイヤハダル、ディープモンスターが動いたことで、外にいた馬たちが一斉に上がって行き、外側の進路が一気に開けた。最終的に、ヨーホーレイクがスムーズな進路を取るには、このタイミングしかなかった。
だが、川田騎手よりワンテンポ早く仕掛けたのが、ステラヴェローチェと吉田隼人騎手のコンビ。外から蓋をする形でブロック。その結果、ヨーホーレイクは最後の直線で内に進路を探すしかなくなってしまい、行くところ行くところで前が壁となり、右往左往するチグハグな騎乗でゴール板を通過した。
「叩き合った上位2頭は抜けていましたが、3着争いは非常に際どい結果になりました。ハナ、ハナ差の接戦をモノにしたステラヴェローチェの好走は、吉田隼騎手の好判断が光りました。
ヨーホーレイクはいい脚を見せていただけに勿体なかったですね。勝負どころとなった直線入り口の進路争いを制していれば、もしかしたら3着はこの馬だったかもしれません。いつもは冷静な川田騎手らしくない騎乗ぶりでした」(競馬記者)
その一方で、ヨーホーレイクを応援していた一部のファンからは、ネットの掲示板やSNSでは、「煽り運転ですか」「若手の武史の方が上手く乗った」「先週に続いてまたか……」という声も出たように川田騎手への不満が爆発。
23日のオークス(G1)で川田騎手は断然人気のソダシを外から徹底的にマーク。終始、プレッシャーを掛けて白毛の女王の冷静さを奪っていった。
勿論、これは勝負の世界の話であって、ルール違反というわけではない。5番人気ステラリアに騎乗しながらも、13着に惨敗したことがファンの間で物議を醸した。見方によってはソダシを狙い撃ちしたように映ったため、ソダシファン、ステラリアファン双方から印象が悪かったようだ。
さらにダービーではソダシの主戦を任されている「因縁の相手」吉田隼騎手に、同じことをやり返された格好。ソダシとヨーホーレイクを応援するファンには、馬券的にも“迷惑騎乗”となってしまった川田騎手。いずれも金子オーナーの所有馬という偶然も重なった。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。