川田将雅「大物ダノン」にG1馬の相!? 安田隆行調教師「カナロアによく似ている」と絶賛! 豪華デビュー戦で未来の「2歳王者」誕生か
先週に引き続きG1のない中央競馬だが、6月から始まった新馬戦は今週も熱そうだ。
20日に行われる阪神5Rの芝1600m戦は、3連勝で阪神JF(G1)を制したショウナンアデラの初仔ショウナンハクラク(父フランケル)や、名繁殖ニキーヤの一族で近親にゴールドアリュールやペルシアンナイトのいるリーブズオブグラス(父エピファネイア)などが出走を予定している。
中でも注目したいのは、ロードカナロア産駒のダノンスコーピオン(牡2歳、栗東・安田隆行厩舎)。鞍上には川田将雅騎手を配し、盤石の態勢だ。
川田騎手といえば、今年はG1で3勝。内2勝は冠名「ダノン」で挙げている。
3月には、ダノンスマッシュで高松宮記念(G1)を勝利。2歳新馬戦が始まった6月初週にも、安田記念(G1)でダノンキングリーが8番人気ながら大金星を挙げた。
今週の新馬戦に登場するダノンスコーピオンはケイアイファーム生産で、庭先取引にてダノンの冠名で知られるダノックスが購入。ダノンのケイアイファーム生産馬といえば、これまでダノンスマッシュ、ダノンプレミアム、ダノンバラードなど、活躍馬が多数いる。
ケイアイファームといえば、愛馬会法人であるロードサラブレッドオーナーズの主要牧場。冠名「ロード」で知られるロードホースクラブの出走馬にケイアイファーム生産馬が多いのはそのためだ。
しかし、その好走確率はダノックスの購入馬が大きく上回り、昨年までの近5年を振り返っても差は歴然。勝率ではロードホースクラブが9.5%であることに対し、ダノックスは22.7%と倍以上の確率で勝利している。
■ケイアイファーム生産馬 2020年までの近5年オーナー成績
(勝率、連対率、複勝率)
ロードホースクラブ【107-108-108-798/1121】
9.5% 19.2% 28.8%
ダノックス【17-9-3-46/75】
22.7% 34.7% 38.7%
中でもダノンスマッシュは17勝の内10勝を挙げているが、今週出走するダノンスコーピオンと同じ安田隆厩舎の所属馬。父も同じくロードカナロアで、重なる部分は多いといえるだろう。
『スポーツ報知』のPOGブログでは、安田隆調教師がダノンスコーピオンについて「カナロアによく似ているんですよ。性格もおとなしいですしね」とコメント。ロードカナロアに似ているということからも、マイル辺りまでの距離で活躍が見込めそうだ。
川田騎手の2歳戦といえば、2017年にダノンプレミアムで朝日杯FS(G1)を優勝。昨年はダノンザキッドでホープフルS(G1)も勝利している。
3週目の新馬戦で、早くも登場するダノンスコーピオン。今年も川田騎手が、2歳G1戦線に旋風を巻き起こすかもしれない。(文=北野なるはや)
<著者プロフィール>
某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。