春の異世界新作アニメでJRAの「宝塚記念の偽ファンファーレ」登場に騒然!? 「同じとしか」「まんまだな」「盗作?」あまりにそっくりでファンも困惑……
競馬が最もワクワクドキドキする瞬間。それはレース直前にファンファーレが鳴り響く時というファンも少なくないだろう。
日本ダービー(G1)や有馬記念(G1)などで流れるお馴染みの関東G1ファンファーレ。作曲したのは、『ドラゴンクエスト』シリーズを作曲したことで知られるすぎやまこういち氏だ。一方、菊花賞(G1)や天皇賞・春(G1)など関西で流れるG1ファンファーレは、ザ・ピーナッツの育ての親として知られる故・宮川泰氏が手掛けた。
東西どちらのG1ファンファーレも長年ファンに親しまれ、レース前の高揚感を高めるのに一役買っている。そんなJRAのG1レースで唯一、この2曲とは違うオリジナルのファンファーレが流れるレースがある。それが春のグランプリ、宝塚記念(G1)だ。
サイレンススズカが勝った1998年の宝塚記念までは、関西地区のG1ファンファーレが流れていた。しかし、99年にJRAが一般公募を行い、早川大海氏が作曲したオリジナルのファンファーレが採用され、以後定着している。ただし、競馬場で流れるのは1年に1度だけ。それだけに東西のG1ファンファーレ2曲に比べると、ファンが耳にする機会は圧倒的に少ない。
そんな宝塚記念のオリジナルファンファーレが2か月ほど前に話題に上ったのをご存じだろうか。
一部の競馬ファンのSNSや掲示板で盛り上がっていたのが、今年4月に放送が始まった『究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら』(KADOKAWA)というテレビアニメの中で流れた曲が、宝塚記念のファンファーレと「酷似している」というウワサだ。
「番組の放送開始を告知したPVが今もYouTubeに上がっていますが、その冒頭で流れる曲には耳を疑いました。競馬ファンなら気付かない人はいないレベルで似ていますね。リズム、メロディーはまさに宝塚記念のファンファーレそのもの。このPVが公開されたのは昨年末でしたが、アニメ放送が始まった4月上旬に立ち上がった掲示板のスレッドが残っています」(競馬誌ライター)
某掲示板には「聞き比べたけど最初同じとしか思えない」、「パクリというか、まんまだな」という驚きの意見が多数。さらに「さすがにここまで丸パクリだと許可とってるんじゃないの?」と冷静な意見もあったが、中には「もろパクリ」など盗作を示唆する物騒なワードも飛び交っていた。
「もともとオリジナルファンファーレを公募したのは、宝塚記念が同じグランプリレースの有馬記念に比べて盛り上がりに欠けるため。話題作りの面が大きかったそうです。梅雨の時期というハンデもあり、当時からフルゲート割れが当然のレースでしたからね。今年も13頭立てですし、有馬記念に比べると、どうしても話題性を欠いてしまうのは仕方がないところです」(同)
今年もコントレイルやデアリングタクトが出走せず、豪華メンバー集結とはならなかった宝塚記念。競馬ファンの間でさえ、そこまで大きな話題にならなかったのは、皮肉にも注目度の低さがあったのかもしれない。(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。