JRA「メンタル崩壊」大出遅れデビューにファンから悲鳴!? 放馬に絡まれ、鞍上落馬のアクシデント。馬体検査で「異常なし」が確認されたものの……

テーオーコンドルの放馬に周囲も騒然… 撮影:Ruriko.I

 27日、阪神競馬場で行われた5Rの新馬戦(芝1800m)は、昨年のダノンザキッドを始め、近年の勝ち馬が次々と出世を果たしていることもあって、戦前から大きな注目を集めていた。

 そんな登竜門を制したのは、1番人気のレッドベルアーム。ゴール前でしっかりと2着馬を捉えた好内容に鞍上の福永祐一騎手も「兄弟で一番いい」と絶賛。共にデイリー杯2歳S(G2)を制したレッドベルジュール、レッドベルオーブ以上の評価ということであれば、いよいよG1制覇も見えてくる。

 一方、そんな華やかな舞台でほろ苦いデビュー戦となったのが、4番人気のローマンネイチャー(牡2歳、栗東・高野友和厩舎)だ。

 単勝7.4倍の4番人気ながら、5番人気が17.1倍だったオッズが示す通り、このレースは上位人気4強の争いになると見られており、ローマンネイチャーへの期待や注目度は決して小さくはなかった。

 しかし、レース前に予期せぬアクシデントが待っていた。出走馬の1頭テーオーコンドルが、藤岡康太騎手を振り落として放馬。あろうことか、そのままローマンネイチャーに絡みに行ってしまったのだ。

 その後、テーオーコンドルがローマンネイチャーに圧し掛かるような状況になって、鞍上の松山弘平騎手が巻き込まれる形で落馬負傷……。ローマンネイチャーは急遽、戸崎圭太騎手へ乗り替わりとなった。

 レース直前の鞍上交代も小さくはないアクシデントだが、それ以上に心配されたのはテーオーコンドルに直接襲われる形になったローマンネイチャーの心身だ。

 JRAは両馬の馬体検査を行い「異常なし」ということでゲートインしたが、案の定というか、両馬とも大きく出遅れ……。特にローマンネイチャーに至っては、歩く様にゲートを出たので致命的な出遅れとなった。

馬体検査を受けたローマンネイチャーだったが… 撮影:Ruriko.I

「うーん、放馬したテーオーコンドルはある意味、自業自得というか、仕方ない部分もあったと思うんですが、巻き込まれてしまったローマンネイチャー陣営にとっては気の毒なレースになってしまいました。

なお、落馬負傷した松山騎手は、その後のレースもすべて乗り替わり。宝塚記念(G1)のカデナも浜中俊騎手に乗り替わっています。

放馬した馬が他の出走馬に近づくのはそう珍しいことでもないですが、あそこまで激しく絡むのはレアケースですね。JRAが馬体検査を行った以上、身体的な問題はなかったはずですが、デビュー戦ということもあって、両馬ともメンタル的なダメージは少なからずあったように思います。

特に4着に敗れたローマンネイチャーはゲートが開いてから、しばらく放心していたようにも見えるスタート。最後は勝ったレッドベルアームに次ぐ上がり3ハロン2位の末脚で追い込んできただけに、まともなら馬券圏内もあったかもしれません」(競馬記者)

 この結果に納得できないのは、ローマンネイチャーを応援していたファンだろう。アクシデント後の致命的な出遅れで敗れただけに、SNSや掲示板では「何故、出走させた?」「絶対、放馬で絡まれた影響あるだろ」「出走取消でよかったのでは」「モヤモヤする結果」など、疑問の声が続々……。

 目に見えないメンタル面の問題だけに、放馬したテーオーコンドルに絡まれたことと出遅れたことの因果関係は明らかではない。「これも競馬」と受け止めるしかないということだろうか。(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

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