JRA「七夕の願い」を信じてはいけないこれだけの理由!? 七夕賞(G3)が枠連「7−7」で決まったのは……
馬番「7番」はどうか。過去10年の「7番」に入った10頭のうち3頭が3着に入るも、優勝馬と2着馬はなし。勝率・連対率が0.0%では、枠順や馬番からの優位性は感じられない。
過去データからは「7枠」や「7番」は、決して縁起がよいとはいえない七夕賞。さらにしつこく、七夕賞と「7」の因果関係を掘り下げよう。
過去10年の七夕賞に出走した馬は、のべ153頭。2年連続出走するなどリピーター馬もいたが、「7歳」で出走した馬は24頭いた。
しかしこちらの成績も頼りなく、優勝馬は2018年のメドウラークただ1頭。勝率4.2%では、「七夕賞では7歳が来る」ジンクスは、ないに等しい。
さらに「7文字」の出走馬は、過去10年で34頭が出走。こちらも優勝したのは、2015年のグランデッツァただ1頭。2着も2015年のステラウィンドがいるだけ。
ほかの「7文字」馬では、パワーポケットとタガノエルシコがそれぞれ3着。つまり34頭のうち、馬券に絡んだのはたったの4頭。ここまでくると、七夕賞にとって「7」という数字は、むしろ呪われているのでは……とすら思える。
過去10年の七夕賞にとっては、不吉な数字ともいえる「7」という“忌(い)み数”。最後に視点を変えて考察しよう。
七夕の夜に逢瀬を許される彦星と織姫のように、過去の七夕賞では牡馬・牝馬のワンツーフィニッシュは実現したのだろうか。
結論からいうと、2011年の1着馬イタリアンレッドが過去10年で唯一の優勝牝馬で、2着には牡馬タッチミーノットが入線。牡馬と牝馬が逢瀬を果たしたのは、過去10年でこの1度だけと、冒頭のロマンチックな伝説を“台無し”にする結果が残っている。
今年の七夕賞で唯一の出走牝馬となるのが、M.デムーロ騎手が騎乗する1枠2番のロザムール。2着以内に入らなければ、七夕賞の牡馬・牝馬のワンツーフィニッシュは10年間も実現せず……という“悲しい”結果となるが、果たしてどうなるか。
もちろん、紹介した「7」にまつわる馬たちの結果にも注目したい。(文=鈴木TKO)
<著者プロフィール>
野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。