JRA 夏の上がり馬が「レコード」「7馬身」「8馬身」の大花火3連発! 秋に注目を集める3歳馬はシャフリヤール、エフフォーリアではなく……
10日、小倉競馬場で行われたインディアT(2勝クラス)は、2番人気のホッコーハナミチ(牡3歳、栗東・長谷川浩大厩舎)が勝利。勝ち時計1:41.4は、ダート1700mの小倉レコードを15年ぶりに塗り替える好時計だった。
戦前は鞍上の浜中俊騎手が『中日スポーツ』のコラムで「まだ良くなるのは先」と評していたホッコーハナミチだったが、終わってみればレコードタイムの快勝。
3/4馬身差の接戦を演じ、従来のレコードにコンマ1秒と迫った2着レプンカムイ(牡3歳、栗東・橋口慎介厩舎)は、つい最近までは同世代を相手に1勝クラスを勝ち切れなかった。
だが、前走で古馬を相手に勝ち上がると、この日も2勝クラス突破へあと一歩に迫っている。
「今年の3歳は、今のところ芝よりもダートの方が勝ち上がりが目立ってますね。まだわかりませんが、今年の3歳ダートは例年より少しレベルが高いのかもしれません。芝ではダービー馬のシャフリヤールと、皐月賞馬のエフフォーリアが抜けている印象ですが、ダート路線はまだまだ群雄割拠。いずれにせよ、秋以降が楽しみな3歳馬が多い印象です」(競馬記者)
小倉を盛り上げたホッコーハナミチのレコード勝利に呼応するかのように、福島でも3歳馬がブレイク。「直線で追うとギアがさらに上がった」とルーキーの永野猛蔵騎手が驚いたのが、8Rを圧勝したプレフェリータ(牝3歳、美浦・萩原清厩舎)だ。
「他に主張する馬がいなかったので」という鞍上の言葉通り、あっさり先手を奪ったプレフェリータは、その後もレースを支配。最後の直線でもまったく危なげなく、気が付けば8馬身差で圧勝していた。
さらに同じ福島の10Rいわき特別(2勝クラス)でも、3歳馬のメイショウムラクモ(牡3歳、美浦・和田勇介厩舎)が圧勝。柴田善臣騎手が「スピードが違った」と絶賛した通り、好位から抜け出すと、あとはワンサイドゲーム。最後はこちらも7馬身差をつけて後続をぶっちぎっている。
「プレフェリータの方は、同世代の前走(1勝クラス)は5着に敗れていたこともあって、7番人気の人気薄。(永野)猛蔵騎手の減量特典と、距離延長が噛み合っての圧勝劇だと思います。お母さんが桜花賞馬のレジネッタということもあって、将来が楽しみな馬です。
また、メイショウムラクモは同世代の伏竜S(OP)で2着した馬ということもあって、ここでは力が違いましたね。柴田善騎手も『クラスが上がっても、流れが速くなった方が競馬はしやすい』と強気だったように、次の3勝クラスもあっさり突破できるだけの器だと思います」(同)
斤量面でのアドバンテージがあるものの、この日は3歳馬ダート馬によるインパクトのある勝ち方が目立った。今年の3歳ダート路線がハイレベルだとすると、浜中騎手が「能力がありますね」と期待を寄せるホッコーハナミチもレコードホルダーに恥じない活躍が期待できそうだ。(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。