JRA セレクトセール上場「1頭」の崖っぷち種牡馬が猛アピール!? 最高価格はディープインパクト「1/10以下」……新星ドレフォン、シルバーステートの勢い凌ぐ急上昇種牡馬とは
来週12日(月)、13日(火)に行われる「セレクトセール2021」を控えていることもあり、最近の2歳戦は実績のない新種牡馬たちにとって、産駒が早くから走れることをアピールする絶好の機会だ。
10日、福島2Rの2歳未勝利戦では、新種牡馬シルバーステート産駒のベルウッドブラボーが優勝。2歳リーディングサイアーの新種牡馬ドレフォンに並ぶ4勝目を挙げたように、新種牡馬のアピール合戦は、早くも2強を形成しようとしている。
一方で、この時期に新種牡馬に負けじとアピールが必要なのが、未だ大きな結果を残せていないマイナー種牡馬たちだ。深刻さでいえば、前途洋々な新種牡馬たちよりも、さらにアピールが必要な存在といえるだろう。
この日、そういった新種牡馬を押し退ける格好で、強烈なアピールを果たしたのが、カレンブラックヒルだ。
函館5Rの新馬戦で5番人気のイチローイチローがハナ差の接戦をものにすると、福島6Rの新馬戦も3番人気のフミバレンタインが逃げ切り勝ち。デビューから4連勝でNHKマイルC(G1)を制したカレンブラックヒルの産駒が、父の存在感を示している。
驚くべきはその購買価格で、イチローイチローは北海道サマーセールで440万円、フミバレンタインはセレクトセールで1100万円と、どちらも競走馬としてはリーズナブル。日本を代表する大種牡馬ディープインパクトの産駒と比べると、その最高価格は約「1/10以下」と歴然だ。
ちなみにカレンブラックヒル産駒は、セレクトセールでの最高価格が4536万円。一方、ディープインパクト産駒の最高はアドマイヤビルゴの6億2640万円で、昨年もショウナンアデイブが5億6100万円で落札されている。
セレクトセールでは2日目の当歳セッションにカレンブラックヒル産駒の「カリズマティックゴールドの2021」が1頭のみ上場するが、10日の活躍から注目度は増すに違いない。近親には牝馬三冠を達成したスティルインラブやオークス馬のローブデコルテもおり、注目の1頭といえるだろう。(文=北野なるはや)
<著者プロフィール>
某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。