JRA 永島まなみ「痛恨」前走コンビを組んだ馬に乗り替わりで勝たれ、北海道シリーズ通算「0勝43敗」……待たれる斤量差を活かした好騎乗、北の大地での勝利
11日、函館競馬場で行われたダート1000mの2歳未勝利戦は、2番人気のワンエルメス(牝2歳、美浦・手塚貴久厩舎)が好スタートを決めると、直線ではヒルノショパンとのマッチレースを制して初勝利を飾った。勝ち時計58秒7。
騎乗した団野大成騎手は「ダートは合いそうだと思ったが、期待通りだった。追ってからもしっかり反応してくれた」とコメント。なお、新種牡馬ディーマジェスティの産駒はこれがJRAでの初勝利。現2歳の初年度産駒は45頭おり、皐月賞(G1)を制した父のような活躍馬が今後現れることに期待したいところだ。
一方で、前走ワンエルメスとコンビを組んでいた永島まなみ騎手にとって、今回乗り替わりで勝たれてしまったのは痛恨だったのではないだろうか。
今年3月、栗東では西原玲奈元騎手以来、実に21年ぶりとなる女性騎手としてデビューした永島騎手。先月5日の中京12Rで通算の4勝目を挙げるなど、まずまずの成績を収めていたものの、北海道シリーズに参戦以降は未勝利が続いている。
11日終了時点での札幌・函館を合わせた成績は【0-1-2-40】。ワンエルメスに継続騎乗していれば、待望の北海道シリーズ初勝利を挙げられていた可能性も高かったと思われる。まさに千載一遇のチャンスを逃してしまった格好だ。
なお、同レースでは永島騎手も3番人気のアドレマピュスに騎乗していたが、4コーナーをやや膨れ気味に回ると、直線に入ってからも見せ場をつくれずに5着。「ゲートを上手く出てくれなくて、コーナーでも外に膨れてしまった」とコメントを残している。
前日10日に行われた函館2Rでは、エルソールに騎乗して2着。これは97年の増沢由貴子元騎手(旧姓・牧原)以来、24年ぶりとなる女性騎手の函館での連対だったようだが、1着となって堂々と話題になるのを期待したいものだ。
「現在、函館開催は東西のリーディング騎手であるC.ルメール騎手と吉田隼人騎手、さらには横山武史騎手やレジェンド武豊騎手などが参戦しており、新人騎手が結果を残すのは並大抵のことではないかもしれません。
一方で、永島騎手には上記の騎手達にはない、斤量4キロ減の特典があります。ハナを切るなどして特典を上手く活かすことができれば、勝利のチャンスも巡ってくると思うので頑張ってほしいですね」(競馬記者)
ルメール騎手が年間100勝を達成したときにプラカードを掲げていた永島騎手だが、このままではこれが唯一の北海道シリーズでの見せ場となりかねない。早々に北の大地で勝利を挙げ、再びルメール騎手とハイタッチを交わして欲しい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。