プロキオンS(G3)衝撃レコードVを呼び込んだメイショウ軍団の“必勝戦略”とは? 9番人気の伏兵メイショウカズサ復活勝利は「ジェットストリームアタック」が炸裂!?
「3頭とも違う厩舎ですが、同じレースにあえての3頭出しは松本オーナーの許可があってのものでしょう。いずれもほぼ同じ脚質の馬でハイペース必死の展開は明らかでした。にもかかわらず、終わってみれば逃げたメイショウウズマサが3着に食い込んで、2着にも2番手から競馬をしていたトップウイナーでした。
積極策を採った馬が3着以内を独占する結果で、松本オーナーとしてはまさに“してやったり”でしょう。レコードが連発していた小倉のダートを逆手に取った逆転の発想といえるかもしれません。後ろにいた組は揃って持ち味を発揮できないまま敗れましたから。
3頭が次々と先頭に襲い掛かる様は、なんだかまるでアニメのガンダムで有名なジェットストリームアタックみたいでしたね(笑)」(競馬記者)
記者がそう語る通り、今夏の小倉競馬は芝もダートもレコード連発と異常な状態だ。
開幕して間もない芝のレースでは、馬場状態も良好で速い時計が出るのも辻褄が合うが、芝のように生育の影響を受けにくいダートでここまで高速決着が続くのは非常に珍しいこと。
勿論、レース後に松山騎手が「ここ3走ほど力を発揮できていなかった」とコメントしたように、元々メイショウカズサが高いポテンシャルの持ち主であることも勝利した理由でもある。
一時はスランプに陥った馬の完全復活は、冬の大一番であるチャンピオンズC(G1)を見据える意味でも大きな意味があったといえるのではないか。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。