JRA ノーザンファーム吉田勝己氏がセレクトセール大盛況の裏で「爆買い」未来見据え目をつけたのはトウカイテイオーと走った英国の伝説的牝馬の血
12、13日の2日間にわたってノーザンホースパークで開催された『セレクトセール2021』は、今年も史上最高の落札総額を記録して幕を閉じた。
2日間の落札総額が、史上最高の225億5600万円という大盛況に終わったセレクトセール2021の「主役」は、やはりノーザンファームだった。落札価格上位にはノーザンファーム関連の馬がズラリと並び、改めて生産界の1強を示した結果となっている。
普通であれば、セール結果に一喜一憂してしまうところだが、流石世界のノーザンファームだ。「現在」にとらわれず、「未来」を見据えた行動を起こしている。なんと、セレクトセールと同時進行で別のセールに参加していたのだ。
それは、イングリスデジタルセールだ。
豪州のセリ会社「イングリス社」が主催のセールで、現地時間9日から14日にかけて、オンラインで開催された。
ノーザンファーム代表の吉田勝己氏は、このセールで豪州馬ファンスターを270万豪ドルで購入した。日本円に換算すると約2億2000万円。同セールで、2番目に高い価格が42万豪ドルであったことを踏まえると破格だ。
この値段に同馬のマネージングオーナーも驚いたようだ。同社のHP上にて、「啞然としている。オンラインセールはもちろん、どんなセールでも270万豪ドルで売れるとは思っていませんでした」とのコメントが掲載されている。
また同HPにて、勝己氏は、「素晴らしい牝馬を購入できてとても嬉しいです」と喜びを見せた。
同馬は、1600mを中心に活躍した16年生まれの牝馬。19年フライトS(豪G1)を含む重賞3勝、G1で2着3回の実績がある。血統は父アデレード、母スタースパングルド、母父デインヒル。半姉に、18年クイーンズランドオークス(豪G1)を制したヤングスターがいる。
勝己氏がセールにて購入した馬は、同馬1頭のみ。また、先述した半姉ヤングスターも今年からノーザンファームで繋養されている。勝己氏は、同馬の母方の血統に目をつけているのだろうか。
そんな血統の中で目を引くのが、祖母のユーザーフレンドリーだ。