JRA 福永祐一「負けるような競馬ではない」惜敗続きに認めたくない現実!? 藤沢和雄師が絶賛したクラシック候補に重なる現状、能力に疑問符ついた気になるコメント
14日、オリンピックの関係で休止していた小倉競馬が再開し、3場開催で行われた中央競馬。この日、午前中のレースで注目を集めたのが単勝1.1倍と圧倒的な支持を集めたラクスバラディー(牝2歳、栗東・清水久詞厩舎)だった。
デビューから2戦をクビ差、3/4馬身差と惜敗が続いているが、姉のバウンスシャッセはオークス3着、重賞3勝と重賞戦線で活躍している期待馬。現役には、3つ上の姉にコントラチェックがおり、こちらも重賞3勝とコンスタントに活躍馬を輩出している血統だ。
490kgと雄大な馬体に加え、パドックもキビキビとした歩様で外々を周回するラクスバラディー。単勝1.1倍という人気からも、多くのファンが勝利を疑っていなかったはずである。
11頭立ての芝1800m戦。ラクスバラディーはポンと好スタートを切ると、鞍上の福永祐一騎手がさっと控えて2列目の外を追走する。道中はかかることもなく終始手応えは抜群。最後の直線に入るとゴーサイン1つでいつでも抜け出せる状態かと思われた。
ところが、いざ追い始めるとジリジリとしか伸びず、外から末脚を伸ばしたラーグルフが優勝。それどころか、最後は逃げたミスボニータにも差し返され、まさかの3着と人気を裏切っている。
レース後、福永騎手は「道中はとてもペースが遅く脚はたまっていたと思いますが、追ってからが伸び切れませんでした」とコメント。鞍上も「負けるような競馬ではない」と振り返った敗戦は、不可解にも感じられる。
また、福永騎手は「新馬戦や2戦目との比較ができず、今回どう変化があったのか分からない部分があります」と首を傾げた。
「2戦目で松山弘平騎手が騎乗した際も『いいポジションで脚は溜まっていましたし、交わせるかと思ったんですが……』と話していましたが、直線でも同じ脚色になったところを見ると切れる脚が使えないのかもしれません。
同じキャロットファームの所有馬でアークライトという馬がいますが、期待されながらも惜敗続きで未勝利を勝ち上がれていません。ラクスバラディーにしても『次は大丈夫』というのは早計かもしれませんが、能力は高そうですから何とかきっかけを掴んでほしいところですね」(競馬記者)
記者の話すアークライトとはキャロットファームの現3歳馬で、POG(ペーパーオーナーゲーム)などでも大きな注目を集めた馬。管理する藤沢和雄調教師も『東京スポーツ』の取材に対し「フットワークが良くて、すべてにおいてレベルが高い。大物ですよ。牧場(ノーザンファーム)の期待馬だからね」と高い評価を口にしていたものの、未だ未勝利戦を勝つこともできていない。
前走は距離を1200mまで短縮し活路を見出そうとしたが、10着に惨敗。騎乗したC.ルメール騎手は「こういう馬場は合わないのかもしれません」と語ったが、反応が悪かったあたりは久々の分もあるのだろう。
ラクスバラディーにしても2着、2着、3着と惜敗が続いているが、今後どのような路線に活路を見出していくのか。期待の高い馬だけに、陣営が求めるレベルも高くなりがちだが、このまま敗戦が続くようだと、実は「能力が足りなかった」という認めたくない現実に直面しているのかもしれない。
(文=北野なるはや)
<著者プロフィール>
某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。