JRA浜中俊「皮肉な結果」に踏んだり蹴ったり!? ファルコニアに真っ向勝負挑むも返り討ち、漁夫の利を得たのは最も勝たれたくない相手
15日、小倉競馬場で行われたハンデ重賞・小倉記念(G3)は、松山弘平騎手が騎乗した6番人気の伏兵モズナガレボシが優勝。前走の佐渡S(3勝クラス)を3着に敗れていた上がり馬が、格上挑戦で初の重賞タイトルを手に入れた。
週末の大雨で土曜は、芝ダートともに不良の開催となった小倉競馬だが、抜群の回復力を見せて日曜午後の芝は稍重まで回復。9Rの筑紫特別では、1勝クラスのレースでありながら、芝1200mで1分8秒0が計時されるまで良好なコンディションとなった。
メインレースの小倉記念でも速い時計の決着が想定されたものの、勝ちタイムは1分59秒7と平凡。スローペースの前残り決着で2分1秒3だった10R博多S(3勝クラス)こそ上回ったが、7Rの1勝クラスの1分59秒6よりも見劣ったのは、レースレベルに疑問が残った。
いずれも芝2000m条件のレースだが、直線2番手の好位から抜け出した勝ち馬カレンルシェルブルに対し、小倉記念を制したモズナガレボシは直線で最後方の位置から差し切り勝ち。
7Rの1000m通過は60秒4の一方、11R小倉記念は61秒4であり、こちらの方がスローペースである。ハイペースに乗じて差しが決まる展開になったというには少々違和感がある。
一見、わかりにくいレース展開だが、前後半の流れを振り返ると、小倉記念の後半1000mはかなりの激流となっていることが分かる。5F目のラップ12秒3から6F目の11秒3を皮切りに11秒4、11秒5と一気にペースアップ。この3Fだけでも34秒2と速いだけではなく、残りの2Fも12秒2と11秒9で決着している。
そして、この激流を生み出す原因となったのが、川田将雅騎手の1番人気ファルコニアと浜中俊騎手の2番人気ヴェロックスだった。
好スタートを決めたフェルコニアを川田騎手は好位の外目に誘導。ヴェロックスの出はそれほど良くなかったが、浜中騎手は手綱を押して好位取りを狙う。1コーナーを回る頃には、内のファルコニアを徹底マークするような恰好で、外のヴェロックスがライバルにプレッシャーを掛け続けた。
川田騎手も乗り慣れたかつてのお手馬と金子オーナーの勝負服の存在は、道中でずっと気になったはず。ついには痺れを切らしたのか、1000m過ぎには早くも先頭を窺う勢いで外から進出する。
そして、これを追いかけるように上がっていったのも浜中騎手とヴェロックス。いずれの騎手も想定外だったかもしれないが、最終コーナーを前に2頭の追い比べに近い状況となった。
ワンテンポ早い仕掛けの影響もあったのか、末脚をなくした2頭は最後の直線でズルズルと後退してファルコニアは6着、ヴェロックスは7着と共倒れしてしまった。