JRA大本命『ウマ娘』勢まさかの「珍客」に大逆転負け!? アイドルホースオーディション「ぬいぐるみ化」をゲットしたのは「ここしかない」個性派たち
栄えある第1位は、異色のタフネスチャレンジャー・ヨシオだ。
JRA史上最強馬アーモンドアイの引退レースとなった昨年のジャパンCにも出走していたヨシオだが、その翌週のチャンピオンズC(G1)にも連闘した異色の経歴の持ち主。主な勝ち鞍がダート1200mのジャニュアリーS(OP)ということもあって、勝利を目指しているようには受け取れないG1挑戦は「珍客」として競馬ファンの間でも賛否両論を呼んだ。その後も、障害に挑戦したと思えば、再びダート短距離を走っているヨシオ。75戦というキャリアは、50戦のステイゴールドを大きく上回って、ぬいぐるみ史上最多ではないだろうか。
全体的な傾向としては、やはり「これまでにぬいぐるみ化されていない競走馬」という取り決めにちなみ、ファンが「今回を逃すと、ぬいぐるみ化されるかわからない」ことを重要視した格好だ。
ぬいぐるみ化の基本的な条件となる「重賞勝ち」が難しいヨシオとメロディーレーンがワン・ツーを飾ったのは、まさにその点が考慮されてのことだろう。2頭とも「チャンスはここしかない」と言っても過言ではなかった。
一方、そんな傾向の煽りを受けたのが、有力視されていた『ウマ娘』勢ではないだろうか。
上位50頭を決めるSTEP1で2位にランクインしながら、最終的にまさかの大逆転を食らってしまったサイレンススズカを筆頭に、多くが「すでにぬいぐるみ化されているが、現在ターフィー通販クラブで販売されていない競走馬」に該当する『ウマ娘』勢。
オグリキャップやトウカイテイオーらの知名度や人気こそ抜群ながら、逆に言えば過去にぬいぐるみ化されているため「オークションなどで頑張れば手にいれることができる」「何らかの形で再販される可能性がある」などといった事情が、最終局面でファン投票の伸びを欠いた理由かもしれない。
STEP1では上位50頭の約半数となる24頭がエントリーした『ウマ娘』勢だが結局、上位5頭に生き残ったのはライスシャワーだけとなってしまった。
(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。