JRA秋華賞(G1)戦線にレイパパレ2世「超新星」出現!? 「最後まで余裕」の4馬身で2連勝! 和田竜二「まだまだ伸びしろがありそう」

 21日、小倉競馬場で行われた都井岬特別(1勝クラス)は、1番人気のイリマ(牝3歳、栗東・高橋亮厩舎)が4馬身差で圧勝。未勝利からの連勝となり、秋の秋華賞(G1)戦線へ大きく浮上した。

 11頭立て、芝2000mのレース。課題のゲートを無難に出たイリマは、中団から鞍上の和田竜二騎手のエスコートで外目に持ち出される。4コーナーでは大外を回ったが、馬場の良い外に持ち出されると、最後の直線ではあっさりと先頭集団を吸収。満を持して先頭に躍り出ると、そのまま後続を突き放してゴールした。

「強いレースでした。前走の未勝利戦も4馬身差の圧勝ですが、和田竜騎手が『これくらい走れる力があるけど、気持ち次第なのかな』と話していた通り、気性的な問題を抱えている馬。この日も抜け出した手応えは抜群でしたが、和田竜騎手はずっと気を抜かないように見せムチを使っていましたね。

初勝利まで6戦と時間がかかりましたが、これで2連勝と軌道に乗ってきました。府中牝馬S(G2)を勝つなど、重賞戦線で活躍したスカーレットカラーの妹。今日もゲートの中で伸びあがるようにスタートするなど気性的に幼い面はありますが、和田竜騎手は『集中できるようになってきた』と評価していました。能力的には秋華賞で見てみたい1頭です」(競馬記者)

 秋華賞を目指す新星といえば、やはり昨年のレイパパレが思い出される。

 レイパパレもまた夏に連勝を飾ったものの、秋華賞では無念の除外。同日に出走した大原S(3勝クラス)の勝ち時計の秀逸さに、三冠牝馬デアリングタクトを差し置いて「幻の秋華賞馬」と称された。この春の大阪杯(G1)を制して、その評価が間違っていなかったことを証明したのは記憶に新しいところだ。

 この日のレース後、「最後まで余裕がありました」と振り返った和田竜騎手は、これが7月4日以降、約1カ月半ぶりの勝利。ちなみにイリマが前回の勝利を挙げたのが7月3日だっただけに、苦戦が続く主戦騎手にとっても貴重な戦力となっている。

「まだまだ伸びしろがありそうです」

 そう和田竜騎手から今後の期待を懸けられたイリマ。姉のスカーレットカラーは秋華賞まで駒を進めたものの、レース前日に左後肢跛行のため出走取消の無念を味わった。これで2戦連続の4馬身圧勝となっただけに、姉の鬱憤を晴らすためにも秋のラスト1冠にたどり着けるか注目したい。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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