JRA武豊メイケイエール “じゃない方”とは言わせない!? キーンランドC(G3)「展開利」見込めるもう1頭の3歳牝馬、鞍上は「4戦無敗」の札幌千二マイスター!
8月も下旬を迎え、夏競馬も終わりが近づいてきた。
22日には札幌記念(G2)と北九州記念(G3)の2重賞が行われたが、ソダシとヨカヨカという3歳牝馬が古馬牡馬を相手に強い勝ち方を見せた。そして今週29日に札幌競馬場で行われるキーンランドC(G3)にも楽しみな3歳牝馬が出走する。
すでに重賞を3勝、桜花賞(G1)では3番人気に支持されたメイケイエールだ。今回は武豊騎手に手が戻り、その走りは大きな注目を浴びる。これまでG1以外は4戦4勝と、まともに走れば強いのは間違いないだろう。
しかし、ある記者はもう1頭の3歳牝馬にも注目しているという。
「目下3連勝中のレイハリア(牝3歳、美浦・田島俊明厩舎)です。3月の中山ダート1200m戦で逃げ切って初勝利を挙げました。その後は、雪うさぎ賞(3歳1勝クラス)と葵S(重賞)を、ともに2番手追走からしぶとく粘り込みました。
3勝はいずれも人気薄(6、6、13番人気)で、今回もメイケイエールに比べると、注目度は低いです。しかし、前走退けたヨカヨカが北九州記念を勝利。さらに3着に破ったオールアットワンスもアイビスSD(G3)でライオンボスなど快速馬相手に完勝しています。
終わってみれば、『じゃない方の3歳牝馬』と言われてもおかしくない存在ですよ」(競馬記者)
そんな“ハイレベル”の一戦を制したレイハリアだが、今回はハナを切った方が勝利は近づくという。
「キーンランドCで逃げた馬は過去10年で『3-1-1-5』の好成績。直線も短く、AコースからCコースに替わる今週は内ラチ沿いを走れる逃げ馬がかなり有利になるのではないでしょうか。
しかも、例年のキーンランドCは逃げ馬が複数頭そろいますが、気になる相手のメイケイエールも逃げにはこだわっていません。激しいハナ争いにはならないと考えられ、展開利も見込めます」(同)
そこで浮上するのが近2走で2番手に控えて結果を残しているレイハリアというわけだ。枠順にもよるが、51kgの斤量を生かしてハナを主張する可能性は高い。その理由の一つが、鞍上の亀田温心騎手の札幌1200m成績にある。
3年目を迎えた亀田騎手は、同期に岩田望来騎手ら実力派がそろう「花の35期生」の一人。JRA通算72勝のうち、実に23勝を北海道(札幌&函館)で挙げている。特に活躍が目立つのは、今回と同舞台の札幌芝1200mコースで、通算「5-2-1-19」という好成績を残している。
そんな“札幌千二マイスター”の亀田騎手が最も得意とする戦法が「逃げ」だ。このコースでハナを切ったときはなんと4戦4勝。一度も負けていない。
人気と注目度はメイケイエールに任せて、亀田騎手とレイハリアはグイグイ逃げるだけ。そうすれば自ずと勝利は見えてくるだろう。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。