JRA話題の「5億円馬」ドーブネに致命的な弱点あり!? 二転三転したデビュー戦は未勝利戦も視野に……、武豊×ディープインパクトの期待馬に“泥船”の予兆

 話題の期待馬がヴェールを脱ぐ時が近づいてきた。

 ドーブネ(牡2、栗東・武幸四郎厩舎)が、注目のデビューに向けて順調に調整を進められている。

 同馬は『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)の記録的なヒットで知られるサイバーエージェント代表の藤田晋氏が所有している。5月の千葉サラブレッドセールで5億1711万円(税込み)という破格の高値で取引された期待馬だ。

 26日、札幌の芝コースで武豊騎手を背に1週前の追い切りが行われ、6ハロンを79秒3~ラスト1ハロン11秒6の好時計で、オンラインドリーム相手に1馬身の先着を果たしている。

 これには、2週続けて騎乗した武豊騎手も「先週よりも乗りやすかったし、動きもよかった。難しいところもあるけど素質馬がある」と高評価。見事、デビュー勝ちを収めることが出来れば、今後も楽しみな存在となりそう。

 その一方、もしかしたら同馬に対する陣営の評価が、それほど高くないのでは?と感じてしまうのは、デビュー戦の予定である。

 どうやら9月4日に行われる札幌の新馬戦(芝1500m)、もしくは同日の未勝利戦(芝1200m)が、候補に挙がっているとのこと。武豊騎手×ディープインパクト産駒ということもあり、クラシックでの活躍も期待されそうな組み合わせにしては、短距離を意識した選択肢だ。

 新馬戦ではなく未勝利戦も候補に入れられた上に、条件は芝1200mのスプリント戦というのは気になる材料だろう。当初は8月29日に行われる札幌の芝1800mでデビューするプランもあった中、二転三転して一気の距離短縮には違和感もある。

 そこで気掛かりなのは、陣営が口にしている「難しいところもある」、「大事なのはコントロール」といったコメント。この言葉から推測される問題は、気性的な難しさがあるのではないかということだ。

 1800mから1500m、そしてついに1200mも視野に入ったということは、気性的に危うさがあると判断されたからと考えてもおかしくはない。となると、折り合いに致命的な弱点を抱えている可能性も出てくるため、距離短縮にも合点がいく。

 未出走馬を重賞に挑戦させたヘヴィータンクやダートの短距離馬ヨシオでジャパンC(G1)を沸かせた森秀行調教師とは、逆パターンの奇策のようにも見える。

 だが、スプリント戦が候補に入っているということは、陣営の自信のなさの表れなのかもしれない。

 大きな注目が集まるドーブネの出航だが、一部のファンが馬名を揶揄している“泥船”なんてことにならなければいいのだが……。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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