M.デムーロ「安全運転が当たり前です」にファンから手痛いツッコミ!? “交通安全大使”就任も素直に喜べない事情
6日、京都府右京警察署で同署の交通安全広報大使に委嘱されたM.デムーロ騎手の委嘱式が行われた。
右京警察署は、京都府有数の観光地である嵐山一帯を管轄している警察署だ。嵐山近辺では、自転車で散策中の事故が多発しているため、サイクリングが趣味の同騎手に白羽の矢が立ったようだ。
前日に新潟記念(G3)を制した名手は警察の制服を身にまとって登場。「安全運転は当たり前。飛ばしたら大変。JRAの(騎手)免許を取り上げられるから、いつも気をつけてます」と、安全運転を誓った。
今回の交通安全広報大使任命について、「デムーロ騎手の警察制服姿かっこいい」「デムーロ騎手本当に日本語話すの上手い」といった好意的な書き込みが相次いだ。
しかし、それと同時に「制裁が多い騎手なのに?」「車より馬の安全運転をよろしく」「ミスキャストじゃないかな」といった厳しいツッコミも避けられなかった。
デムーロ騎手は先日の新潟記念における好騎乗など、“勝負強い”ジョッキーとして知られている一方で、制裁を受ける回数が多い。そのため、一部では安全運転のイメージがピンとこなかったファンもいたのかもしれない。
競馬における制裁とは、騎手に課せられるペナルティのことだ。一般的に運転免許の交通違反点数と同じようなもので、違反するたびに点数が累積していく仕組みとなっている。
騎手は主に進路妨害で他の馬のレースを妨害した場合や、負担重量や使用馬具を守らなかった場合に制裁を受ける。
騎手の制裁は1年ごとに点数がリセットされる。ただ、1年で合計30点を超えた場合「再教育」の対象となる。対象になった場合、運転免許における違反者講習のようにJRAの特定施設で騎乗技術の指導等を受ける必要がある。
「デムーロ騎手はJRA騎手となった2015年からほぼ毎年のようにJRA制裁点ランキング上位に顔を出しているように、常連といえるでしょう。
近年は多少改善が見られましたが、今年は暫定とはいえ1位にランクイン。“制裁王”返上はまだ先かもしれません」(競馬誌ライター)
自動車などにおける危険運転は「死」に直結するため、警察が日々パトロール等を行い取り締まっている。同様に競馬における危険騎乗も大怪我などに繋がるため、毎レースJRAが厳しい監視を行っている。
「安全運転は当たり前です」と宣言したデムーロ騎手だが、本業でも有言実行することができるだろうか。
(文=寺沢アリマ)
<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。