JRA「ダービーを狙える」と惚れ込んだ福永祐一に先見の明! ドゥラメンテ逝去の裏で新たな光明、“幻の最強馬”が証明したポテンシャルの高さ
デビュー前の「ダービーを狙える」発言以外にも、シルバーステートに対する賛辞は多数あった。
過去に多くのG1馬に騎乗していた彼が、「そのエンジンの性能にボディがもたなかったというのが、僕の印象」、「脚元はなかなかもたなくて休みがちでしたけど、規格外の馬でしたね」など、早過ぎる引退を名残惜しそうに振り返ったのだから……。
勿論、競走馬時代に華々しい活躍を見せた馬が、種牡馬としても同様の実績を残すとは限らないのが競馬の常。だからこそ現役時代に評価した馬が、種牡馬でも光明を見せたことに大きな意味がある。
「今まで乗った馬のなかで間違いなく一番で、その評価はコントレイルと出会った今でも変わりません」
無敗の三冠馬まで上り詰めたコントレイルと比較しても、見劣らないとした言葉がシルバーステートの明るい未来を約束しているようだ。
ディープインパクト亡き今、コントレイルに後継種牡馬として大きな期待が懸けられているが、もしかしたらシルバーステートこそ隠れた大本命なのかもしれない。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。