JRA 武豊「17年ぶり」にアドマイヤ牝馬とタッグ! 開幕週で素質馬ズラリも、結果を残して名門厩舎との「復縁」に弾み?
約2ヶ月間にわたって開催された夏競馬も先週で終了。今週からは本格的な秋競馬がスタートする。
11日、中京競馬場で行われる牝馬限定・芝1600mの新馬戦でデビューを迎えるのが、ロードカナロア産駒のアドマイヤラヴィ(牝2歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。
母は2017年のクイーンC(G3)を制したアドマイヤミヤビ。クラシック獲りも期待されていたが、桜花賞(G1)で12着に敗れると、オークス(G1)では勝ったソウルスターリングから0.7秒差の3着。その後に屈腱炎を発症し、残念ながら早期での引退を余儀なくされた“未完の素質馬”である。
本馬はそんなアドマイヤミヤビの初仔となる。デビュー戦Vに向けて先週1日には、栗東CWコースで1週前追い切りを消化。藤岡康太騎手を背に、今月20日のセントライト記念(G2)に出走を予定しているルペルカーリアと併せられ、見事に先着を果たしている。最終追いでも2歳未勝利のアドマイヤグリーゼにきっちりと先着しており、体制は万全だ。
実戦でコンビを組むのは武豊騎手。アドマイヤと武豊騎手は06年以降、しばらく疎遠となっていたが、6億円ホースであるアドマイヤビルゴをきっかけに、ついに雪解け。アドマイヤの牝馬と武豊騎手が新馬戦でタッグを組むのは、04年のアドマイヤイチ以来、約17年ぶりとなる。
また武豊騎手としては、右足甲の骨折から復帰した5月以降、しばらくコンビを組む機会が減っていた友道厩舎とも、ここにきて徐々に復縁ムードだ。
今月19日に行われるローズS(G2)では、同厩舎の管理馬であるディヴィーナに、26日の神戸新聞杯(G2)ではヨーホーレイクにそれぞれ騎乗することが既に発表されている。来週からのトライアル戦線に弾みをつけるためにも、まずは今週のアドマイヤラヴィできっちりと結果を残したいところだろう。
一方、アドマイヤラヴィがデビューを予定している新馬戦には、他にも強力な馬たちが出走を予定している。
川田将雅騎手とのコンビで出走を予定しているのが、ハービンジャー産駒のナミュールだ。母は13年の桜花賞で6着に入ったサンブルエミューズ。管理する高野友和調教師は『スポーツ報知』の取材に、「期待したいですね。軽いハービンジャーで質のいい動きをします。乗りやすいですよ」とコメント。レイパパレと同じ川田騎手×高野厩舎×キャロットファームのタッグでもあるだけに、注目を集めることとなりそうだ。
ハービンジャー産駒でもう1頭、松永幹夫厩舎のマンクスホップも、アドマイヤラヴィのライバルとして立ちはだかるかもしれない。母はデビューから3連勝でクイーンCを制したキャットコイン。早い時期から走れる血統であり、同馬にも初戦からの勝ち負けが期待されている。鞍上は松山弘平騎手を予定。
秋競馬開幕週の新馬戦だけに、他にも好素質馬がズラリと揃いそうだ。来年の牝馬クラシック戦線を賑わせる馬が誕生するかもしれない一戦。アドマイヤラヴィをはじめ、各若駒たちの走りを注目して見ておきたい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。