53万馬券演出「ピリナちゃん」と挑む紫苑S(G3)! 前代未聞の「幅寄せ」事件で“恫喝”されたアノ騎手は、ひと夏越えて“覚醒”の秋を迎えるか?
6月の新馬戦では、ハギノモーリスに騎乗して2着。また7月には、9番人気ハギノオーロで3着と好走。両馬とも同厩舎の管理馬であり「ハギノ」の馬だ。
ほかにも8月の未勝利戦では、こちらも同厩舎のラピスデラビオスで11番人気ながら未勝利を脱出。月間勝利数は少ないものの、コツコツと実績を積み上げ、厩舎や馬主らの信頼を得ようと努力する姿が垣間見える。
紫苑Sの意気込みを尋ねられた藤懸騎手は「(ハギノ)ピリナちゃんを応援してください」と返答。果たして、同騎手と「ピリナちゃん」のコンビは、オークスの激走がフロックでないことを証明できるか。
さまざまな人や馬との出会いで、一流ジョッキーになった例は数え切れない。地道に努力した夏を越えた藤懸騎手が、秋競馬で本当の意味での“覚醒”を遂げることに期待したい。
(文=鈴木TKO)
<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。