JRA 良血馬「ノーステッキ」で圧巻の勝ち上がり!「これから成長してくれれば」晩成傾向ハービンジャー産駒に川田将雅も期待する存在とは?
11日、中京競馬場で行われた3R・2歳未勝利戦は、1番人気のグランディア(牡2歳、栗東・中内田充正厩舎)が勝利。ちょうど2ヶ月前に行われた新馬戦で2着だった雪辱を晴らした。
9頭立ての芝2000mで行われたレース。前走馬券圏内に好走した馬がグランディアただ1頭だけ。払戻金に売上げの5%相当額を上乗せして払い戻す「秋の2歳単勝」キャンペーン開催初日だったが、単勝オッズ1.1倍になってしまうほど圧倒的支持を集めた。
前走は遅れてしまったスタートをしっかりと決めて4番手の好位を確保。道中で動いていく馬も見られたが自分のペースで走り、先頭を射程圏内に入れた位置で直線を迎える。
楽な手応えで前へ並びかけると、鞍上の川田将雅騎手がムチを入れることなく残り200m付近で先頭に躍り出る。その後も後続が詰め寄る気配はなく、グングン後続を突き放していき、余力十分にゴール板を迎えた。
「評判の良血馬らしい良い勝ちっぷりでしたね。レース後に『まだ動き切れないので、安心し過ぎずにレースを勉強しながら』と、川田騎手は話していましたが、その通りの収穫あるレースだったと思います。
課題のスタートもしっかりと出ました。上がり3ハロン34秒8は目立った時計ではありませんが、ノーステッキですからね。新馬戦は、追えば味があるところは見せました。これからが楽しみな馬です」(競馬記者)
グランディアの母ディアデラノビアは2005年フローラS(G2)など重賞3勝。繁殖牝馬としてはデビュー済みの産駒11頭中10頭がJRAで1勝を突破しており、5頭がオープンクラスまで到達している。
「グランディアはハービンジャー産駒ですが、兄弟にいるオープン馬5頭のうち2頭が全兄にあたるドレッドノータスとサンマルティンです。
ドレッドノータスはラジオNIKKEI賞京都2歳S(G3)を勝利していますが、6歳時にも重賞を勝利しています。また、サンマルティンは4歳になってから勝ち癖がつきました。
ハービンジャー産駒は古馬になってから本格化する傾向があるようです。2歳の時点でこれだけの走りができるのですから、この先どうなるのか楽しみですね」(同記者)
これでデビュー2戦とも鞍上を務めた川田騎手が、両レース後に「これから成長してくれれば」と繰り返している通り、ここからグランディアがどのような成長曲線を描いていくのか。今後の動向から目が離せない。
(文=寺沢アリマ)
<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。