JRA【ローズS(G2)展望】調教「5馬身遅れ」もC.ルメール2戦2勝クールキャットが中心!? 姉デゼルの無念を……川田将雅オヌールにもチャンスあり
19日(日)、中京競馬場では秋華賞(G1)の最重要トライアル・ローズS(G2)が開催される。3着以内に入って、本番の権利を手中に収めるのはどの馬になるだろうか。
実績的には、今春のフローラS(G2)を勝った関東馬のクールキャット(牝3歳、美浦・奥村武厩舎)が中心となりそうだ。
デビュー戦の勝利後は、G3で不完全燃焼のレースが続いていたクールキャット。5番人気で迎えたフローラSは外目からうまく流れに乗り、直線早めに抜け出すと、4度目重賞挑戦で初制覇を飾った。
オークス(G1)ではテン乗りの武豊騎手を背に6番人気。積極的な競馬でハナを切って粘り込みを図ったが、直線失速して14着に大敗した。
今回は4か月ぶりの実戦で、鞍上は2戦2勝と好相性のC.ルメール騎手。フローラS後には、「新馬戦で乗った時から能力を感じていましたが、今日は馬体がパワーアップしていて、筋肉もついていました」と語っていた同騎手。秋華賞で手綱を取る予定だったサトノレイナスが骨折で出走を見送ったため、クールキャットのパフォーマンス次第では本番でもタッグを組む可能性が出てきた。
血統的にも魅力たっぷりだ。父スクリーンヒーロー、母父ダンスインザダーク、さらに母系がメジロ牝系なので、いかにも3歳秋以降に才能を開花させるイメージ。
注目の1週前追い切りは、美浦南Wを単走馬なりで5ハロン66秒5-12秒3とまずまずのタイムを計時。しかし、併せた僚馬のノースブリッジには約5馬身遅れを取り、重賞2勝目に向けてやや不安を残す形となった。ルメール騎手の手綱で不安を振り払い、秋華賞に向かうことはできるか。
3戦2勝のオヌール(牝3歳、栗東・友道康夫厩舎)は、昨年のこのレースで4着に敗れた姉デゼルの雪辱を誓う。
全姉デゼルは昨年のオークスで2番人気に支持された素質馬。馬体減もあって11着に敗れると、ローズSでも秋華賞の権利獲りに失敗。今年になってようやく阪神牝馬S(G2)で重賞初勝利を飾った。
春は、姉が果たせなかったオークス制覇の夢を託された妹のオヌールだったが、2戦2勝で臨んだフローラSで1番人気に推されるも8着に敗れた。姉と同じくデビューから馬体重は減り続け、オークスの舞台に立つこともかなわなかった。
デビュー時は418kgあった馬体重がフローラSでは404kgまで減少。秋初戦に向けてどこまで増やせているかに注目が集まる。2週前には栗東坂路で51秒7の好タイムをマークしているが、1週前は時計を出していない模様。クールキャット同様、こちらも状態面にはやや不安が残る。
鞍上は前走に続いて川田将雅騎手が騎乗を予定している。前走後には「体の中身が伴ってくれば変わってくると思います」と話していたが、やはり馬体重が大きなカギとなりそうだ。