JRAデビュー10年目「苦労人騎手」に重賞初制覇の大チャンス!? ソダシ一族の白毛馬ハヤヤッコ虎視眈々【シリウスS(G3)展望】
10月2日(土)の中京メインはダート重賞のシリウスS(G3)が行われる。昨年はカフェファラオが古馬勢を撃破。断然1番人気に応え、4か月後のフェブラリーS(G1)制覇につなげた。
粒ぞろいのメンバーが集まりそうな今年は、ハヤヤッコ(牡5歳、美浦・国枝栄厩舎)、3歳馬のゴッドセレクションあたりが人気を集めそうだ。
祖母シラユキヒメ、母マシュマロから続く白毛馬のハヤヤッコ。19年のレパードS(G3)で白毛馬として初めてJRAの重賞制覇を遂げたのがこの馬だった。以降は全て中央で2000m前後の距離を走ってきたが、重賞2勝目には手が届いていない。
前走のスレイプニルS(OP)は東京2100mの長丁場。58kgという酷量を背負いながら田辺裕信騎手に導かれ、後方から直線一気の差し切り勝ちを収めた。
思い返せば、レパードS勝利もテン乗りの田辺騎手でのもの。このコンビは通算「3-0-2-3」と好相性を誇り、3戦連続騎乗となる今回はレパードS以来、2年2か月ぶりの重賞制覇も期待できそうだ。陣営は、この秋の大目標をチャンピオンズC(G1)に据えている。ここで賞金を加算しておきたい。
2歳下ソダシの大活躍で、一大勢力を築きつつあるシラユキヒメ一族。翌日のスプリンターズS(G1)にはメイケイエールが出走、さらに2週間後にはソダシが秋華賞でG1・3勝目を狙う。ハヤヤッコは前祝いとなる勝利を挙げられるか。
今年の3歳ダート戦線には、昨年のカフェファラオのような絶対的な存在はいなかった。ただ、ゴッドセレクション(牡3歳、栗東・今野貞一厩舎)の安定感は、ここでも侮れない。
重賞初挑戦となった5月の兵庫CS(G2)では、単勝1.2倍の圧倒的1番人気に支持されたが、ゴール前でリプレーザの急襲に屈し2着。続く、ジャパンダートダービー(G1)ではスマッシャーに続く2番人気に支持されるも、12番人気の伏兵キャッスルトップに逃げ切りを許し、アタマ差の2着に敗れた。
重賞では惜敗続きだが、3走前の伏竜S(OP)では後にレパードSを制したメイショウムラクモに完勝しており、この世代トップクラスの実力を持つのは間違いない。3歳代表として強豪古馬に挑む。
鞍上はデビュー2戦目から手綱を取る中井裕二騎手。デビュー10年目という区切りの年を迎え、このコンビでは3度目の重賞挑戦。自身初の重賞タイトルを「三度目の正直」で手にすることはできるか。
そのゴッドセレクションの6歳上というウェスタールンド(セ9歳、栗東・佐々木晶三厩舎)の復活に期待がかかる。
昨年はダートの中長距離重賞路線で5戦し、すべて3着以内。鋭い末脚を武器に持ち前の堅実さを見せていた。
しかし、今年は7月のプロキオンS(G3)で始動し、2番人気に支持されるも7着に敗れた。続くエルムS(G3)は3番人気で4着と2戦続けて馬券圏外と昨年の勢いは見られない。
それでも前走はメンバー最速の上がりを記録するなど、使われつつ状態は上昇。休み明け3戦目の今回は1700mから1900mへの距離延長も味方につけられそうだ。
サンライズホープ(牡4歳、栗東・羽月友彦厩舎)は、この4月にオープン入り。6月に昇級初戦の三宮S(OP)で2連勝を決めた。続くプロキオンSは、連勝の勢いを買われ1番人気に支持されたが、スタートで躓く不利もあって6着。メンバーレベルはさらに上がるが、スムーズに先行策をとれればここでも侮れない存在だ。
ケイティブレイブ(牡8歳、美浦・清水英克厩舎)は、交流G1・3勝を含む重賞10勝の実績を誇る。転厩初戦の前走エルムS(G3)は団野大成騎手に乗り替わって、12番人気ながら6着とまずまず。今回は内田博幸騎手に乗り替わって変わり身を見せられるか。
この他には、前走アンタレスS(G3)最下位から逆襲を狙うアナザートゥルース(セ7歳、美浦・高木登厩舎)、昨年のこのレース4着で川田将雅騎手が騎乗予定のダノンスプレンダー(牡5歳、栗東・安田隆行厩舎)などが出走を予定している。
秋のダート戦線を占う上でも非常に重要なレース。シリウスSは15時35分に発走を予定している。