競馬のバイブルここにあり!鈴木和幸氏が競馬記者歴45年の知識を開放する。鈴木和幸の競馬解説~調教編その2~
■調教メニュー
調教には人が引いて歩く引き運動、乗って運動させる乗り運動など、さまざまなメニューがある。乗り運動は馬の状態によっていろいろな速さで行われる。追い切りはその乗り運動を速くしたもの。
■調教駆け
”稽古駆けする”ともいい、調教でいい動きを見せて速いタイムで走ること。併せ馬をすれば先着し、単走でも好時計が出るような状態。ただし、”その能力を常にレースで発揮できるとは限らない”。そのため、前走時の調教タイムと着順のチェックが必要になる。これとは反対に調教では走らないタイプを調教駆けしないといい、調教ではさえないのにレースで一変する馬もいる。
■力マれる
併せ馬で併せた相手に遅れること。実績馬が格下馬に遅れると格下にカマれたなどという。調教駆けしないタイプなら、格下馬にカマれたとしても特に問題はない。
◎調教効果を高めるグッズ
■汗取り
鞍の下に毛布をかけて追い切ったり運動させたりすること。太めの馬の発汗をうながし、”馬体を絞る意図”がある。こうした調教を行った馬は当日の馬体重に注意が必要だ。
■引き返し
引き返しとは、”走るときに頭が高くなる馬のフォームを矯正するため”の道具。手綱から胸の前を通って腹帯につなぐ革ヒモのこと。首の動きを制限して、走行中に頭が高くなるのを防ぐ。レースでの装着は認められない。
■ウォーキングマシン
名前の通り、馬を歩かせる装置。屋根つきのものもある。若駒の育成中や休養場の運動にも用いられる。馬の温泉として知られる競走馬総合研究所常磐支所(福島県いわき市)には、直径2.5m、水深40cmの円形プールを歩かせるウオーターウォーキングマシンがある。