JRA こんなに「手の内」明かして大丈夫? 予想に悩んだらまず見るべき、福永祐一自ら解説のYouTubeが絶好調

 今年既に重賞9勝、うちG1を3勝している福永祐一騎手。残念ながら今夏の重賞は勝ち星に恵まれなかったが、10月に入ると、秋のG1開幕戦となるスプリンターズSでは、3番人気のピクシーナイトに騎乗し1着と早速結果を出した。

 そんな福永騎手自らが、主に自身の騎乗するG1レースについて、展開予想から騎乗馬の取りたいポジション、ライバル馬達の詳細解説までしてくれるという夢のようなYouTube動画があるのをご存じだろうか。

 最新の秋華賞(G1)解説動画を含め、全7回が配信されている「教えて!福永祐一先生」と題してカンテレ競馬(公式)のチャンネル。フランスで開催された凱旋門賞(G1)の解説2回を除く5回分については、実際に福永騎手が該当のG1レースに騎乗するその前日に動画がアップされた。YouTube配信なので、過去分も含めて誰でも視聴が可能なのも嬉しいポイントだ。

 競馬場のコース図が描かれたボード上に、有力馬の名前を記したマグネットを複数設置し、福永騎手がそれを操作しながらレース展開の想定を語るという形式が取られていることも分かりやすい。中央競馬の騎手がYouTubeに登場して自らの言葉で語ってくれる、というだけでも嬉しい驚きだが、さらに驚かされるのはその中身の濃さである。

 例えば先週行われた秋華賞の展開予想においては下記のように語っていた。おそらくエイシンヒテンが逃げるだろうと述べた上で、「ビュンビュン飛ばした方がいいよねというタイプの馬ではない」「ハイペースにならない可能性が高い」と指摘。実際にエイシンヒテンは逃げたものの、前半1000mの通過が1分1秒台とG1レースとしてはスローペースとなった。2番手につけるのはソダシではないかとも語っていたが、こちらもばっちり当てている。

 上記はあくまでも一例で、「レース前にこんなに話して大丈夫なのか!?」と外野が心配したくなるような出血大サービスな情報開示が続くので、未視聴の方はぜひ一度ご覧になっていただきたい。

 ちなみに気になるのは、福永騎手が解説したレースでの自身の成績だが、2-0-1-2/5となっている。着外となった2戦についてもそれぞれ4着、5着と掲示板は確保した。G1レースのみであることを考えれば、勝利率40%で複勝率60%のハイアベレージは特筆に値する。

 今年5月の天皇賞・春(G1)特集で初公開され、各回数十万回再生と人気を博している本動画。初回はボードに貼り付けるマグネットの磁石強度が弱かったのか、結果的に勝利した自身の騎乗馬ワールドプレミアの名前が記された磁石もポロっと落っこちていたのはご愛嬌だ。配信も回を重ね、番組側が磁石の強度を上げたのか、そんなお茶目なシーンもしっかり対策をされた。

 注意したいのはG1レースだからと言って、配信が毎回あるとは限らないということだ。10月初週に行われたスプリンターズSで、勝ったピクシーナイトの事前解説を聞きたかったという人も多いのではないのだろうか。

 来週は阪神競馬場で開催される菊花賞(G1)では、牝馬のディヴァインラヴ(牝3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)に騎乗想定となっている福永騎手。同馬は9月に2勝クラスを勝ち上がったばかりで、現在『netkeiba.com』による想定オッズでは9番人気だ。これまでの動画配信は5番人気以内の馬に限られており、菊花賞については配信がされない可能性も高いので、ご注意いただきたい。

 しかし、G1レースは暮れの大一番有馬記念まで続く。YouTubeに予想動画が溢れすぎていて「どれから観ればいいのかわからない」という方にはぜひ現役トップクラスのジョッキーの熱意溢れる解説動画はお勧めかもしれない。「福永祐一先生」の次の配信はいつだろうか。非常に楽しみである。

(文=鹿取文)

<著者プロフィール>

平日は会社員、土日はグリーンチャンネル三昧の日々を送る。幼少期にグラスワンダーが勝った宝塚記念を生観戦、絶叫する親族にドン引きするも二十年経ち気づけば自分も同じ道へ。逃げ馬の粘りこみが好き。

関連記事

競馬最新記事

人気記事ランキング 17:30更新

競馬

総合

重賞レース特集
GJ編集部イチオシ記事
SNS