JRA「G1・100連敗」リーチの三浦皇成に「G1初制覇おめでとう」!? 地方競馬の祭典「JBC」名称にファンも惑わされた?

 3日(祝・水)、金沢・門別の両競馬場ではJBCの4競走が行われた。牝馬限定のレディスクラシック、7ハロン戦のスプリント、そしてメインのクラシックという3つのG1、さらに2歳の若駒によるJBC2歳優駿(G3)が立て続けに開催された。

 唯一、北海道の門別で行われたのがJBC2歳優駿だ。北海道2歳優駿を引き継ぐ形で、2020年に新設された交流G3で、第1回の昨年は、地元・北海道の伏兵ラッキードリームが制した。

 混戦模様の今年は、1~2番人気を地元・北海道勢が占め、JRA勢はやや影が薄かった。しかし、直線大外から豪快に差し切ったのは、デビュー2戦目、JRA勢では最上位人気のアイスジャイアント(牡2歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)だった。

 レース後「鞍上を任せていただいたことに本当に感謝しています」と陣営に感謝の意を述べたのは三浦皇成騎手。「2戦目でこういう重賞を獲らせていただくということは、この馬が持っている潜在能力、素質があるからこそだと思っています」と初コンビを組んだ愛馬を褒めたたえた。

 三浦騎手の重賞勝利は今年2月のダイヤモンドS(G3)以来、8か月半ぶり。地方交流の重賞では、昨年9月の日本テレビ盃(G2)以来、1年2か月ぶりとなった。

 今年が騎手生活14年目の三浦騎手。1年目にJRA新人記録の91勝をマークした際は「ポスト武豊」と騒がれたこともあった。しかし、その後はケガなども重なり、非凡な才能を持て余したまま、月日は経過。来月には32歳を迎える。

 それでも5年目を除き毎年のように重賞を勝っており、JRAのG1でも2着が2度、3着も7度と、戴冠に何度も近づいている。直近では、昨年末のホープフルS(G1)で2番人気のランドオブリバティに騎乗。悲願達成を狙ったが、4コーナーで逸走し落馬。競走中止というハプニングもあった。

 その後もコンスタントにG1に騎乗しているが連戦連敗。気づけばデビューからのJRA・G1連敗は「99」まで伸び、100連敗にリーチをかけた状態となっている。

 そんななか、今回の会心の勝利にはTwitterや掲示板などで三浦騎手への祝福コメントが多数投稿された。

「おおお三浦騎手じゃん!!おめでとうございます」、「忘れたころの三浦皇成!」、「コウセイ今日は上手かったよ」……。

 一方で、このレースのグレードを把握していなかったファンも多かったようで「三浦騎手G1初制覇おめでとう」というコメントも相次いだ。

「もちろん、三浦騎手が制したJBC2歳優駿はG3に格付けされていて、G1ではありません。しかし、この日は金沢で同じJBCを冠した3つのG1レースが行われていました。地方競馬にあまり詳しくないファンなら勘違いするのも仕方がないところでしょう。

そもそも三浦騎手は14年12月に交流G1の全日本2歳優駿をディアドムスで勝っています……。やはりJRAでG1未勝利という印象が強いことが、ファンの勘違いにつながったのかもしれませんね」(競馬誌ライター)

 どちらにしても、三浦騎手にとっては久々の重賞勝利。これを浮上のきっかけにしたいところだろう。大台目前となったG1連敗を止める日は果たして、いつになるのだろうか。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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