JRAダノン軍団「真打ち」3億円ホース登場も川田将雅は心中複雑!? 相思相愛デビューのはずがアーモンドアイ調教師の“鶴の一声”でルメールに…

 かつてアパパネ、アーモンドアイという2頭の三冠牝馬を手掛け、今秋の秋華賞(G1)をアカイトリノムスメで制した国枝栄厩舎が、今年も名馬誕生を予感させている。

 2019年のセレクトセールにて2億9000万円(税込み3億1320万円)で取引されたダノンギャラクシー(牡2歳)が、6日に東京競馬場で行われる新馬戦(芝2000m)でいよいよベールを脱ぐことが決まった。

 新馬戦を快勝し、先週の萩S(L)で2連勝を飾ったダノンスコーピオンが頭角を現すなど、早くも来年のクラシックに有望株を送り込みつつある「ダノン軍団」ことダノックス所有馬。昨年はダノンザキッドがホープフルS(G1)を勝つなど大きな注目を集めたが、今年もここで“真打ち”の登場となりそうだ。

「ドバイワールドC(G1)2着のトゥザヴィクトリーなど活躍馬を多数送り込んでいるフェアリードールの一族で、2013年のジャパンC(G1)で2着したデニムアンドルビーの全弟になります。

ただ、デニムアンドルビーは母ベネンシアドールの初仔でしたが、あれから9年が経過。他の兄弟ではマリーンC(G3)を勝ったラーゴブルーが走った程度で通常、高齢出産の仔馬は嫌われることが多いのですが、この馬は別格だったそうです。

全兄に新馬とすみれS(OP)を連勝して、皐月賞(G1)でも5着したキタノコマンドールがいますが、関係者は『それ以上の器』だとか。周囲の期待も非常に高いものがあります」(競馬記者)

 そんなダノンギャラクシーだが、当初は先週の天皇賞・秋(G1)当日の新馬戦でデビューする予定だった。しかし、追い切り内容に不満を抱いた国枝調教師の“鶴の一声”でデビュー戦が延期になったという。

「同年代の馬にも遅れるなど、もともと追い切りで動くタイプではないのかもしれませんが、時計はそれなりに出てはいましたよ。ただ、国枝調教師としては満足いかなかったようですね。まあ、これだけの高額馬ですから、デビュー戦で躓きたくはないのでしょう。

1週先延ばしにしたことで正直、目に見えて変わったということはありませんが、確実に良くはなっているとは思います。レースが楽しみですね」(別の記者)

 陣営としては満を持してのデビューということになるが、これを素直に喜べないのが、騎乗予定だった川田将雅騎手ではないだろうか。

「実は当初、天皇賞・秋の日にデビューする際は、ダノン軍団のエース騎手でもある川田騎手が騎乗予定でした。しかし、1週延びてしまったことで、川田騎手は米国のブリーダーズCへ参戦することに……。代役として抜擢されたのが、C.ルメール騎手です。

陣営としては十分過ぎる代役ですが、川田騎手にとっては複雑でしょうね……。今年のダノン軍団の期待馬ですし、ルメール騎手が惚れ込んでしまわないことを祈るばかりといったころでしょうか」(同)

 ダノンギャラクシーを管理する国枝調教師とルメール騎手といえば、歴代最強牝馬といわれるアーモンドアイを手掛けた名コンビ。逆に川田騎手とのコンビは、ここ5年で17回しか実現しておらず、わずか4勝に終わっている。

 果たして、ダノン軍団の真打ちは無事に初陣を終えて、川田騎手の元へ戻ってくるのだろうか。そういった意味でも注目のデビュー戦になりそうだ。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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