JRA 「ディープインパクト×アルゼンチン牝系」の素質馬がC.ルメールを背にV! 後続に2馬身差つける完勝に「元主戦候補」は何を思う?
7日、東京3Rの2歳未勝利戦(芝2000m)は、C.ルメール騎手騎乗の1番人気コリエンテス(牡2歳、美浦・堀宣行厩舎)が勝利。マカヒキやサトノダイヤモンドを輩出しているディープインパクト×アルゼンチン牝系の素質馬が、デビュー3戦目でしっかりと勝ち上がりを収めた。
レース後、ルメール騎手は「長くいい脚が使える。2番手からじわじわ加速してくれた」とコメント。長めの距離が合いそうなタイプであり、今後はクラシック路線での活躍も期待できそうだ。
一方、2馬身差の完勝劇を受けて、初戦で手綱を執る予定だった戸崎圭太騎手は果たして何を思っただろうか。
もともと戸崎騎手はコリエンテスにデビュー前から調教を付けており、「背中の感触はいい。長めの距離が良さそう」とコメントするなど素質を高く評価。同馬は7月10日の福島・芝1800mで、戸崎騎手を背に初陣を迎える予定だった。
しかし、陣営は雨予報で馬場の悪化を懸念し、同レースへの出馬投票を見送り。出走を翌週へとスライドさせたが、ここで痛恨の除外……。出走が叶っていれば、戸崎騎手と堀厩舎は2018年12月のフローラデマリポサ以来、約2年7ヶ月ぶりのタッグが実現する予定だった。
結局、コリエンテスは当初より2週間後ろ倒しとなる、新潟芝1600mでようやくデビュー。だが戸崎騎手には他に乗り馬がいたため、初戦は川田将雅騎手が務めることとなった。結果はコリエンテスが2着、戸崎騎手が騎乗したウェストファリアは4番人気で9着に敗れている。
その後、コリエンテスは2ヶ月半の休養を挟み、10月の東京で2戦目を迎えたが、戸崎騎手は同じ日の阪神で行われた京都大賞典(G2)のヒートオンビートに騎乗するため不在。人馬は再びすれ違うことになった。なお同馬の手綱はルメールが務め、初戦に続き1番人気に支持されたが3着に終わった。
「今回は戸崎騎手も東京に居ましたが、コリエンテスの鞍上は前回に続いてルメール騎手となりました。同馬を所有するシルクレーシングとルメール騎手はアーモンドアイや、この日のアルゼンチン共和国杯(G2)を勝ったオーソリティなど、蜜月な関係を築き上げています。今後も同騎手がコリエンテスの手綱を執り続けていくかもしれませんね。
ただ、ルメール騎手×シルクには、他にもイクイノックスという強力なお手馬が控えています。同馬の動向次第によっては、コリエンテスが戸崎騎手に回ってくることもあるかもしれません」(競馬誌ライター)
戸崎騎手はこの日、6Rに行われた芝1400mの新馬戦をラコンタールで快勝。近親に桜花賞馬ハープスターを持つ良血馬で、レース後には「いい切れ味を見せることができた。これからも楽しみ」とコメントするなど、手応えを感じ取ったようだ。
同馬がマイル路線を賑わし、中距離戦線ではコリエンテスとのコンビが再び成就するようなことがあれば、戸崎騎手にとっては願ったりかなったりだが、果たして“逃がした魚”を手にする日はくるだろうか。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。