JRA横山武史も「首を傾げた」ウインマリリンの状態不安説……、ファンからは「エリザベス女王杯を回避して」の大合唱!?

ウインマリリン JBISサーチより

 14日、阪神競馬場では3歳以上の牝馬限定G1のエリザベス女王杯(G1)が行われる。今年はG1馬が2頭だけと例年に比べると、やや小粒な印象だ。

 2頭の内訳は今年の大阪杯(G1)覇者レイパパレと秋華賞(G1)覇者のアカイトリノムスメ。『netkeiba.com』の予想オッズ(9日午後現在)では、両者が単勝2倍台のオッズで1番人気を争っている。

 3倍台でこれに続くのがG2・3勝の実績馬ウインマリリン(牝4歳、美浦・手塚貴久厩舎)だ。予想4番人気のウインキートスが14倍ほどなので、今年のエリザベス女王杯は上位3頭による3強の様相を呈している。

 重賞勝ち数ではウインマリリンが出走馬で最多。最大の武器は軽快な先行力と牡馬にも負けないスタミナだ。1年前のこのレースでは、先行馬で唯一の掲示板を確保(4着)。先着を許した相手はラッキーライラック、後に有馬記念で2着に入ったサラキア、そして先日ブリーダーズC制覇の快挙を遂げたラヴズオンリーユーの3頭。相手関係を思えば、負けて強しだったといえるだろう。

 今年挙げた2勝(日経賞、オールカマー)も先行力を生かし、どちらも2~3番手から押し切る強い内容だった。さらに春の天皇賞(G1)では強豪牡馬に交じって5着に入り、豊富なスタミナも証明済み。

 距離に不安があるレイパパレ、そして1か月の間に2度目の長距離輸送となるアカイトリノムスメが相手なら1番人気に支持されてもおかしくないが、おそらくそうはならない。それどころか、ウインマリリンはゲートインすらしない可能性もあるという。

「実は天皇賞・春の後、ウインマリリンは右肘の肘腫を切開して縫合する手術を行っています。術後は経過も順調で、秋初戦のオールカマーはレイパパレなどを相手に完勝しました。

前走後は手塚師の口から『手術をしてからパワーアップした』という言葉まで出たのですが、その後に肘の腫れが再発。状態次第ではエリザベス女王杯の回避も視野に入れていたと聞いています」(競馬誌ライター)

 1週前追い切りでは僚馬のマイネルファンロンに1馬身半も遅れるなど、その動きは騎乗した横山武史騎手も首を傾げるほど悪かったという。

「手塚師からは『一旦休ませて有馬記念という選択肢も……』という言葉があったようですが、メンバー的にもやはりエリザベス女王杯の方が勝つ可能性は高く、症状の悪化がなければ今週末に出走させる方向のようです。有馬記念に向かうとなると、エフフォーリアに騎乗する横山武騎手も乗れませんからね。そういう事情もあるかもしれません」(同)

 決して得意とはいえない関西への輸送も控えるなか、Twitterや掲示板などでは「無理な出走はやめて」、「回避して」、「関西圏では結果も出てないし、ここは回避で」などウインマリリンを心配するファンの切実な声も多々あがっている。

 有馬記念が無理なら、ウインブライトでノウハウもある香港行きという選択肢もあったかもしれない。しかし、10月中旬にすでに登録は締め切られていて、これも時すでに遅し。

 10日に予定されている最終追い切りで不安を払拭し、このまま出走するのか。それとも大事をとって回避という決断をするのか。陣営の判断やいかに。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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