JRA エリザベス女王杯(G1)の「2着」はもう決まり!? 3年連続2着の「シルバーコレクター」と共通点ありありの実力馬とは
14日に阪神競馬場で行われるエリザベス女王杯(G1)。『netkeiba.com』の予想オッズでは、アカイトリノムスメ・レイパパレ・ウインマリリンの3頭だけが単勝10倍を切っている。
「三強」の様相を呈しているなか、虎視眈々と一角崩しを目論んでいるのが、ウインマリリンと同じ冠名で同級生のウインキートス(牝4歳、美浦・宗像義忠厩舎)だ。
前走はウインマリリンに次ぐ2着へ好走。3走前には軽い斤量の52キロだったとはいえ、強豪牡馬を相手に目黒記念(G2)を2馬身差で快勝している実力馬だ。
エリザベス女王杯の舞台となる阪神芝2200mは未経験だが、2200mは「1-2-0-0」と連対率100%で距離適性はバッチリ。
加えて、血統的にも阪神芝2200mは得意な可能性が高い。父ゴールドシップは現役時代にエリザベス女王杯と同舞台で行われる宝塚記念(G1)で、史上初の連覇を達成。阪神芝2200mを得意とした名馬の血を継ぐ娘なら、2度も坂を上るタフなコースでも力強く駆けることができるかもしれない。
また、ゴールドシップの父は名種牡馬で有名なステイゴールドだが、近年は父ステイゴールド系の馬によるエリザベス女王杯での好走が目立っている。
ステイゴールド産駒で三冠馬に輝いたオルフェーヴルを父にもつラッキーライラックは、昨年エリザベス女王杯連覇を成し遂げた。そのラッキーライラックが初めてエリザベス女王杯を制したときの2着馬もまたステイゴールド産駒のクロコスミアだ。
このクロコスミアは17年~19年と3年連続でエリザベス女王杯へ出走して、全て2着という成績を残した。この手の話題でよく挙がるのが有馬記念(G1)3年連続3着だったナイスネイチャだが、クロコスミアはそれを上回る成績だった。
そんなシルバーコレクターとウインキートスは、血統に共通点がある。父系はどちらも同じステイゴールド系。そして、母の父も同じボストンハーバーなのだ。
クロコスミアが走った当時は京都開催だったという違いはあるが、阪神開催でもステイゴールド系が強いことは証明済み。そのため「ほぼクロコスミア血統」のウインキートスも、もしかしたら2着ということも……。
状態も前走以上の気配がある。1週前追い切りでは、騎乗予定の丹内祐次騎手を背に、美浦の南ウッドチップコースで6ハロン82秒0、ラスト1ハロン11秒8をマーク。追い切りを終えた丹内騎手は「外々を回って負荷をかけてしまいはしっかり詰めていました。変わらずにきているしこれで良くなりそう」と、『日刊スポーツ』の取材に応じている。
距離実績、状態、そして「シルバーコレクター」血統を味方につけて、ウインキートスが「三強」に割って入る準備は整った。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……