ゴールドドリームが勝ったからこそ惜しまれる「あの馬」の他界。昨年「史上最強馬」クロフネの領域に迫った名馬の可能性
19日に東京競馬場で開催されたフェブラリーS(G1)は、前日に亡くなった種牡馬ゴールドアリュールを父に持つゴールドドリームが、まるでその背中を押されたかのように接戦を制して優勝。
競馬ならではのドラマチックな結末に感動したファンも多いだろうが、だからこそ「あの馬」の雄姿を見たかった。
昨年11月の武蔵野S(G3)。フェブラリーSと同じ東京ダートのマイル戦で、ゴールドドリームに1馬身以上の差をつけて完勝した馬がいる。そのわずか半月後に調教中の事故で他界したタガノトネールだ。
南部杯(G1)2着など、もともとダートマイラーとして高い素質を秘めていたタガノトネール。この日も果敢にハナを奪いに行くと1000m通過が58.3秒という、芝並みのペースでぶっ飛ばしていく。
本来であれば、明らかなハイペース。だが、最後の直線に入ってもタガノトネールの脚色は衰えず、そのまま押し切った。2着のゴールドドリーム、3着のカフジテイクは知っての通り、先日のフェブラリーSの1着馬と3着馬だ。
この日の東京ダートは異常に速い時計の出る状況だったが、勝ちタイムの1:33.8は当然レコード。ちなみに今年のフェブラリーSの1:35.1よりも1秒以上速く、武蔵野Sの歴史としては、コース改修前に日本のダート史上最強馬クロフネが叩き出した1.33.3に次ぐ記録でもある。
競馬ファンの間では、今でも「伝説」として語り継がれている2001年の武蔵野S。