JRA【京都2歳S(G3)展望】武豊8年前から「隔年勝利」で今年は勝つ番!? ノースヒルズ軍団の大物ディープインパクト産駒で前人未到11度目Vへ準備万端

 27日、阪神競馬場ではラジオNIKKEI杯京都2歳S(G3)が行われる。

 レースの創設は1959年で、当時は『京都3歳S』の名称だった。2013年まではOP特別競走として行われ、ナリタブライアンやエピファネイアなどがここをステップにG1馬に上り詰めている。しかし、14年にG3に格上げされて以降は、このレースを勝利して活躍する馬は少なく、“不出世レース”と呼ばれるほどだ。

 しかし、今年は将来が楽しみな逸材が何頭かスタンバイ。近年では最も濃いメンバーが揃いそうだ。

 筆頭格はノースヒルズ軍団が送り込むディープインパクト産駒の期待馬、トゥデイイズザデイ(牡2歳、栗東・池江泰寿厩舎)だろう。

 翌28日に開催されるジャパンC(G1)でノースヒルズの大将格コントレイルがターフを去るが、2歳下のこの馬が1日早く看板馬のバトンを受け取れるかに注目が集まる。

 デビューは7頭立ての少頭数で行われた9月の中京芝2000mの一戦。先手を取ると前半3ハロンが39秒7という超スローペースに落とし込み、直線では並びかけられることなく、2着に1馬身差をつけ快勝した。

 揉まれる競馬はもちろん未経験で、今回も行く馬がいなければ行かせる可能性は高いだろう。鞍上は引き続き武豊騎手が務める予定だ。

 武騎手はOP時代を含めて、このレース通算10勝と好相性。また、2013年からは隔年で勝利していて、流れ通りなら今年は武騎手が勝つ番だ。JRAの平地G1完全制覇には、朝日杯FS(G1)とホープフルS(G1)を残すのみで、トゥデイイズザデイ次第では年末のホープフルS制覇も見えてくる。

 同じく1戦1勝のライラック(牝2歳、美浦・相沢郁厩舎)は、東京芝1800mで牡馬相手にデビュー。道中は好位を追走し、直線力強く抜け出す好内容で勝ち上がった。

 トゥデイイズザデイが三冠馬ディープインパクト産駒なら、こちらはオルフェーヴル産駒。半兄には札幌2歳S(G3)勝ちのブラックホールがいて、2歳戦での活躍は織り込み済みだろう。勝算あっての関西遠征とみていい。

 初戦に騎乗したM.デムーロ騎手は「まじめで折り合いがつき、距離は持ちます。瞬発力もあり最後まで伸びていました」とそのポテンシャルを絶賛。折り合いに不安がない点から1ハロンの距離延長はむしろ歓迎だろう。

 ただし牝馬はこのレースを長らく勝っていない。最後の勝利は翌年に武豊騎手を背に桜花賞(G1)を勝った1988年のシャダイカグラまで遡る。もしライラックが勝てば牝馬クラシックの主役候補に躍り出る可能性もあるだろう。

 9月の新潟芝2000mを圧倒的1番人気に応えてデビュー戦Vを飾ったのは、ディープインパクト産駒のキャンデセント(牡2歳、栗東・藤原英昭厩舎)だ。

 中団後方で脚を溜めて、直線では外目を通ってジリジリと脚を伸ばした。当日の馬場は稍重発表だったが、かなり時計がかかっていた。騎乗した福永祐一騎手は「まだまだ脚を使えていません。もっと良い脚を使える馬です。ハミに頼るところがあり、加速するのに時間がかかりました。色々と課題が分かりました」とダメ出しも、「初戦としてはまずまずでした。走る馬です」と評価は高い。

 引き続き福永騎手が騎乗することからも期待の高さは変わらず。デビュー2連勝でクラシック戦線に名乗りを上げられるか。

 川田将雅騎手が騎乗を予定しているフィデル(牡2歳、栗東・友道康夫厩舎)は、20年の1歳セレクトセールで2億900万円(税込み)の値をつけたハーツクライ産駒。

 7月の小倉芝1800mをデビュー勝ちし、素質の片鱗をのぞかせた。川田騎手は、「今日はスムーズに競馬を勉強しながら、全部上手にこなしてくれました。これからの成長が楽しみです」と語っていたが、4か月半ぶりの実戦で成長した姿を見せることはできるか。

 この他には、父ディーマジェスティ、母父トウカイテイオーという渋い血統のディープレイヤー(牡2歳、美浦・大和田成厩舎)、叔父に重賞4勝、菊花賞2着のサトノノブレスがいるシホノスペランツァ(牡2歳、栗東・寺島良厩舎)などが上位をうかがう。

 年末のホープフルSに向けて重要な一戦となる京都2歳Sは27日15時40分に発走予定だ。

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