JRA【京阪杯(G3)展望】スプリンターズS(G1)3着シヴァージが登場! 快速馬の宝庫「6歳牡馬」VS新鋭「3歳牝馬」の“4強”対決に注目
28日(日)、ジャパンC(G1)の直後に行われるのは京阪杯(G3)だ。昨年に続き今年も阪神芝1200mが舞台となる。
想定段階で20頭を超える登録が予定されており、混戦ムードが漂う。実績面で注目したいのは2頭の6歳牡馬だ。
6歳牡馬といえば、現役のダノンスマッシュに加え、昨年引退したタワーオブロンドンとミスターメロディの3頭がスプリントG1を制覇。長らく短距離界を牽引してきた世代でもある。
もちろんダノンスマッシュは出走しないが、同世代のシヴァージとライトオンキューが主役候補としてともに重賞2勝目を狙う。
シヴァージ(牡6歳、栗東・野中賢二厩舎)の武器は、なんといっても切れ味鋭い末脚だ。元々ダートを主戦場にしていたが、約2年前に芝路線に転向すると、ほぼ毎レースで上がり最速をマーク。位置取りが後ろ過ぎて善戦止まりということも多かったが、嵌まったときの破壊力は抜群だった。
しかし、今年に入ってからはややシフトチェンジ。1月のシルクロードS(G3)で福永祐一騎手が中団からの競馬を試みると、見事重賞初Vを飾った。
高松宮記念(G1)は、左前脚に外傷を負ったため回避。春は1400mのリステッド競走を2戦し、いずれも中団からの競馬で2着、5着と勝ち切れなかった。
秋はスプリンターズS(G1)にテン乗り吉田隼人騎手とのコンビで出走。10番人気という伏兵だったが、最内枠を生かして、好位5番手につける積極的な競馬で、直線しぶとく脚を伸ばして3着に好走した。
前走のパフォーマンスで今回は上位人気必至だろう。マークされる形になっても同じ競馬ができるかどうか、吉田隼騎手の手綱さばきに要注目だ。
もう1頭の6歳牡馬は、2年前にこのレースを制しているライトオンキュー(牡6歳、栗東・昆貢厩舎)。高松宮記念(G1)以来、8か月ぶりの実戦となるが、調教ではいい動きを見せている。
デビューから4歳春まで1400~1600mを使われていたが、その後スプリント路線に転向。以降は10戦連続で1200mのみに出走している。その10戦のうち掲示板を外したのは3度。うち2度はG1なので、G3なら大きく崩れることはなさそうだ。
前走の高松宮記念は4番人気に支持されたが、ブービー17着に沈んだ。ただし、競走中に鼻出血を発症していたためで、この一戦は度外視してもいいだろう。
久々の実戦となるが、17日の1週前追い切りは栗東坂路でこの日の2番時計となる50秒1をマーク。休み明けでも初戦から動けそうで、スプリント界で隆盛を誇った6歳牡馬として存在感を見せたい。
2頭の6歳牡馬に対抗するのは3歳牝馬の2頭だろう。
レイハリア(牝3歳、美浦・田島俊明厩舎)は、今年3月のデビュー4戦目にダートで勝ち上がると、その後は新潟での自己条件(1勝クラス)、葵S(重賞)を連勝。さらにキーンランドC(G3)で古馬を相手に勝利し、怒濤の4連勝で短距離界の新ヒロイン候補に名乗りを上げた。
秋はスプリンターズSを回避。3か月ぶりのレースは2度目となる関西圏への輸送を伴う。
先月20日に美浦に帰厩し、1週前には美浦坂路で自己ベストを大幅に更新する51秒0の好タイムをマーク。3走前から手綱を取る亀田温心騎手とのコンビではまだ負けておらず、ここを勝って連勝を伸ばせば、今後のスプリント路線でも有力候補になっていくだろう。
もう1頭の3歳牝馬はオールアットワンス(牝3歳、美浦・中舘英二厩舎)だ。
葵Sではレイハリアの3着に敗れたが、前走アイビスSD(G3)は、初の千直競馬にもかかわらず1番人気に支持され、ライオンボスらを相手に一発回答。まだキャリアは6戦と浅く、伸びしろにも期待できそうだ。
重賞2連勝に向けて、鞍上は前走に続き石川裕紀人騎手が務める。同騎手は関西圏での重賞初制覇も懸かっている。
この他には、今年のCBC賞(G3)を制したファストフォース(牡5歳、栗東・西村真幸厩舎)、3勝クラス、リステッド競走を2連勝中のサヴォワールエメ(牝5歳、栗東・辻野泰之厩舎)などにも注意が必要だ。
快速馬の宝庫6歳牡馬が経験の差を見せるのか。新鋭の3歳牝馬が連勝を飾るのか。それとも他の世代から新勢力が台頭するのか。注目の京阪杯は28日16時15分に発走予定となっている。