「川田将雅を買うだけで儲かる」は本当なのか!? 交流重賞の「神」が残した驚異のゴールドラッシュ
23日、浦和競馬場で行われた浦和記念(G2)は川田将雅騎手の1番人気メイショウカズサ(牡4歳、栗東・安達昭夫厩舎)が勝利。前走の白山大賞典(G3)に引き続き交流重賞連勝を達成した。
「何とか勝ってくれた」
2馬身差の快勝とは裏腹に、川田騎手の声のトーンは決して高くなかった。他の馬がスムーズにゲート入りを進めていくなか、メイショウカズサは機嫌を損ねてゲートインを拒否。その後ゲートに入ってはくれたものの、スタートもあまり良い飛び出しではなかった。
それでも川田騎手が「やる気がない中で強めにうながして、気持ちを切らさないように走らせた」と振り返ったように、スタート後に押して出ていって、ベストポジションのハナは譲らず。それからゴールまで誰にも先頭の座を明け渡さなかった。
馬の気持ちを優先させた川田騎手の好騎乗に、ファンからはネット上の掲示板やSNSなどで「さすが川田騎手!」「川田騎手じゃなければ負けていたかも」などの声が、上がっていた。さらには「川田騎手は地方競馬の神」「交流重賞は川田を買うだけで儲かる」と大絶賛するコメントも見られた。
しかし、それらはあながち間違いではないかもしれない。今年の交流重賞は24日までに計34R開催されたが、川田騎手は約半数にあたる18Rへ騎乗。そして、驚くべきは「11-1-2-4/18」という川田騎手の成績である。
なんと川田騎手は今年行われた交流重賞の1/3にあたる11勝をマーク。さらに勝率は脅威の約60%で、連対率も約67%と交流重賞に乗れば「基本2着以内」の素晴らしい成績を残している。特に素晴らしかったのが2月の佐賀記念(G3)から4月のマリーンC(G3)の期間で、全て2番人気以内の人気馬へ騎乗したとはいえ、騎乗機会5連勝を達成している。
「18R中16Rが3番人気以内と、騎乗馬の質に恵まれているのは事実です。しかし、舞台は中央競馬と異なり経験の少ない地方競馬のコースです。小回りで順当な決着になりにくいコースやトリッキーで乗り辛いコースもあるなか、人気馬といえども実力通りの結果を出し続けるのは、ジョッキーの腕があってこそ。
4度ほど着外に敗れていますが、その中にはレース中に熱中症を発症したスパーキングレディーC(G3)のテオレーマや、怪我からの長欠明けでレース後に引退を発表した日本テレビ盃のクリソベリルが含まれています。
そういった騎手どうこうで敗れたとは断言しづらいレースを除けば、18R中2Rしか馬券圏外になっていないということになります。さすが今年の交流重賞で1番多く勝っているジョッキーです」(競馬誌ライター)
仮に今年の交流重賞で川田騎手の騎乗馬の単勝を毎回1000円ずつ購入していたとすると、18000円投資で回収は30350円。何と「交流重賞川田転がし」で、1万2000円近くものリターンがあったのだ。
「今からでは遅い」と思った方もいるかもしれないが、まだ大丈夫そうだ。地方競馬は一般企業でボーナスが支給される師走の時期に、交流重賞を多数用意しており、東京大賞典(G1)など年内で5Rも控えている。
年末の有馬記念(G1)やホープフルS(G1)でボーナス片手に一獲千金を狙うファンにとって、「交流重賞の川田騎手」を狙い撃ちすることは1つの手かもしれない。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……