武豊&幸四郎騎手コンビに「最大の壁」となる絶好調M.デムーロ騎手!フィナーレを迎えた弟は”因縁”の舞台で「兄の仇」を打てるか
常日頃から「出るレースはすべて勝ちたい」と公言し、先週のフェブラリーS(G1)を勝った時も「今年のG1はすべて勝ちたい」と豪快に言い放ったデムーロ騎手。大きなレースで燃える理由を「お金、大好き」と話しており、このチャンスを全力で掴みに来ることは火を見るよりも明らかだ。
厄介なことにそのデムーロ騎手は現在、完全に絶好調モード。昨年のこの時期に京都記念(G2)→京都牝馬S(G3)→フェブラリーS→アーリントンC(G3)→中山記念(G2)と重賞騎乗機会5連勝を達成したのを再現するかのように、今年も東京新聞杯(G3)→京都記念→フェブラリーSと3週連続重賞勝利を継続中だ。
昨年は勢いのままにアーリントンCも飲み込んでおり、1番人気のペルシアンナイトに騎乗する事実を考慮しても、幸四郎騎手にとってあまりにも危険な存在だ。馬券で儲けるために勢いにあやかりたい「現実派」のファンの後押しもあり、いつも以上に人気が集中する可能性もある。
また、阪神のマイル戦は一昨年、兄の武豊騎手が「やられた」コースでもある。
2015年12月の朝日杯フューチュリティステークス(G1)。「JRA・G1完全制覇」の大記録が懸かり、1番人気のエアスピネルに騎乗していた武豊騎手は、最後の直線で堂々の横綱相撲を展開するも、最後の最後でデムーロ騎手のリオンディーズの強襲に遭い2着。
デムーロ騎手の飽くなき勝利への執念に「空気の読めない外国人が……」と冗談交じりに嘆く他なかったのは、今でもファンやメディアの間で語り草になっている。
そんな因縁の阪神マイル戦で、幸四郎騎手は兄の”仇”を打つことができるだろうか。
一方で武幸四郎騎手にとって、阪神マイルは深い思い出のコースでもある。幸四郎騎手がデビューを飾った1997年。デビューわずか2日目での初勝利が、阪神マイルで行われたマイラーズC(G2)だった。「デビュー最短重賞勝利」は、幸四郎騎手が記録で兄を超えた唯一のものだ。