ダンスディレクターが故障で高松宮記念を回避! 不運すぎる馬は再度復活することができるのか?
昨年の悲劇が繰り返されてしまった。
シルクロードS(G3)を連覇したダンスディレクター(牡7歳/栗東・笹田厩舎)が、左第1指骨剥離骨折したことがJRAから発表された。休養期間は未定ながら、この故障で次走に予定されていた高松宮記念(G1)を回避すると見られている。
ダンスディレクターは昨年もシルクロードSを制覇後に左前脚の筋肉痛を発症。予定されていた高松宮記念を回避している。
重賞制覇後、2年連続で故障が発覚したダンスディレクター。同馬はデビュー時から、なにかとツキに見放されていた印象を受ける。13年の3歳未勝利戦から競走馬人生をスタートさせたダンスディレクターは、2戦目から11戦連続で1人気に押されていた。だが多くの期待を寄せられつつも、そのうち勝利を収めたのは4戦のみ。実力があると周囲に見られていたにもかかわらず、勝ちきれないレースを多く繰り返した。
結局ダンスディレクターがオープンクラスを走ったのは、初出走から2年近くが経った15年の京王杯スプリングC(G2)のことだった。レースの事前オッズでは、4番人気に押されていたものの12着と惨敗。それでもその後はCBC賞(G3)、阪神C(G2)をそれぞれ2着で終えるなど、じょじょに実力を発揮。そして16年のシルクロードSでは、2着に1馬身半差をつけ重賞初制覇を飾った。期待馬がついに開花した瞬間だった。
だが重賞初制覇後に故障。復帰まで約7カ月を要することになる。復帰後はレースに出走するも勝ち負けにまで絡むことはなく、ファンには引退の二文字も頭をよぎっていた。そんな状況の中、ダンスディレクターはシルクロードSを連覇。同レースで騎乗した武豊騎手はレース後、「一瞬の脚のいいスプリンターで、7歳ですがまだまだやれますね」と、年齢から来る力の衰えを感じさせないと評していた。不遇の馬が、完全復活した……かに思われていた。