JRA【阪神C(G2)展望】グレナディアガーズ・ソングラインら中心に混戦模様“スーパーG2”は今年も超ハイレベル! 短距離路線は3歳馬の独壇場!?
25日(土)、阪神競馬場では阪神C(G2)が行われる。その賞金額からスーパーG2とも呼ばれる一戦に、今年も1400mに強豪スプリンターとマイラーが集結する。中でも注目は2018年生まれの3歳世代となりそうだ。
ちょうど1年前の朝日杯FS(G1)を先頭で駆け抜け、2歳マイル王に輝いたグレナディアガーズ(牡3歳、栗東・中内田充正厩舎)。当時は未勝利戦を勝ち上がったばかりで、7番人気という伏兵ながら堂々のレコード勝ちを収め、短距離界の主役候補に躍り出た。
ところが年明け初戦のファルコンS(G3)で2着に敗れると、続くNHKマイルC(G1)でも3着。そして、秋初戦の京成杯AH(G3)でも3着と、3戦連続で1番人気を裏切り、評価を落とした。
4番人気で臨んだ前走のマイルCS(G1)は、鞍上に池添謙一騎手を起用したが、8戦目で初めて掲示板を外す13着に大敗。以前からささやかれていた早熟説が現実味を帯びる結果となった。
ただし、前走は池添騎手がレース後に残したコメント通り、「壁を作れず、力んでいてリラックスさせられなかった」ことが大きかった。
巻き返しに向けて、鞍上はC.デムーロ騎手にスイッチする。阪神1400mは未勝利戦を勝ち上がったコースでもあり、1ハロンの距離短縮もプラスに働く可能性が高そうだ。
今後を占う上でも試金石の一戦となりそう。早熟説を吹き飛ばす激走で1年ぶりの勝利を飾れるか。
グレナディアガーズに先着した経験があるソングライン(牝3歳、美浦・林徹厩舎)は重賞2連勝を狙う。
デビューは2歳の6月と早かったが、ここまで間隔を空けながら大事に使われてきた。キャリアは7戦と浅く、まだ底を見せていない魅力がある。
素質の一端を垣間見せたのが、シュネルマイスターとハナ差の接戦を演じた5月のNHKマイルCだった。直線先んじて抜け出したところ、ゴール直前に内にもたれてしまったのが響いた。今回ライバルとなるグレナディアガーズに2馬身半先着を果たしたのもこのレースだ。
唯一大きく崩れたのは15着に終わった桜花賞(G1)。このときは暴走するメイケイエールに馬体をぶつけられる大きな不利を被った。
夏以降は関屋記念(G3)こそ3着に取りこぼしたものの、前走の富士S(G2)は中団から直線馬群を割って鋭伸。52kgの軽量も味方につけ、待望の重賞初制覇を飾った。
距離は久々の1400mとなるが、不安は桜花賞以来2度目となる右回りの方だろう。全くダメということはないだろうが、こだわって左回りを使われてきた印象もある。逆にここを楽勝するようなら、来年の短距離路線を賑わせる1頭になりそうだ。
昨年の当レース覇者ダノンファンタジー(牝5歳、栗東・中内田充正厩舎)は、13-14年のリアルインパクト以来の連覇が懸かる。
今年は春に3戦したが、阪急杯(G3)の5着が最高で、高松宮記念(G1)とヴィクトリアマイル(G1)ではG1の壁に阻まれた。
夏を休養に充て、5か月半ぶりに臨んだのはスワンS(G2)。川田将雅騎手とのコンビで見事1番人気に応えて快勝した。その後はマイルCSをパスして、重賞7勝目に照準を合わせてきた。ハイレベルの3歳世代を相手に古馬の意地を見せられるか。
対する3歳世代からは、他にも何頭か実力馬が出走を予定している。
1頭目はホウオウアマゾン(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)。この秋はスワンS、マイルCSと古馬相手に王道路線を歩み、ともに逃げて3着、5着と善戦した。特に前走はグランアレグリアとは0秒4差で、ゴール前ではサリオスを差し返すしぶとさも見せるシーンも。ここでもマイペースで逃げることができれば、一発があっておかしくない。
2頭目はスワンSでホウオウアマゾンにハナ差及ばず4着だったルークズネスト(牡3歳、栗東・浜田多実雄厩舎)だ。デビューから幸英明騎手が手綱を取ってきたが、今回はC.ルメール騎手へ乗り替わり。非情な采配にも見えるが、陣営の本気度の表れといっていいだろう。
この他には、京阪杯(G3)で2着に入り、復活の兆しを見せたタイセイビジョン(牡4歳、栗東・西村真幸厩舎)、2走前のスプリンターズS(G1)で3着に激走するも、前走の京阪杯は1番人気を裏切り6着に敗れたシヴァージ(牡6歳、栗東・野中賢二厩舎)などが出走を予定している。
3歳世代を中心に今年もスーパーG2の名にふさわしい粒ぞろいのメンバーが揃いそう。混戦を断つのは果たしてどの馬になるだろうか。発走は25日の15時45分を予定している。