250万円→1億5500万円の馬に勝つ下克上! モーリス、オペラオーなど低評価を覆して活躍した「安馬の美学」
今週から本格的に3歳クラシック戦線が開幕。弥生賞の本命馬と目されていたブレスジャーニーは回避して皐月賞を目指すことになったが、わずか250万円で購入された同馬は各方面から注目されている。これまでサウジアラビアRC、東京スポーツ杯2歳ステークスを勝つなど大活躍。そして負かした相手がスワーヴリチャードなどの高額馬なので、判官贔屓の競馬ファンや日高地方の生産者から大きな期待を集めているのだ。
ブレスジャーニーは2015年のサマーセールにて250万円で落札された馬。同じ年に行われたセレクトセールではサトノヴィクトリーが2億5380万円、フォギーナイトが2億4840万円で落札されたが、現状の成績はブレスジャーニーの足下にも及ばない状況だ。世の中にはサトノダイヤモンドのように血統が優れた高額馬が活躍するのは当然といった風潮があるが、安馬、つまり「重賞やトップクラスの活躍は見込めない」と評価された値段の安い馬が、その評価以上の走りを見せるのは気持ちのいいものである。
このブレスジャーニー以外にも安馬ながら活躍した馬は数知れない。今回はそんな安馬でも過去に活躍した、あるいは現在活躍している競走馬を紹介しよう。
モーリス
・2012年1歳サマーセール(150万円)
・2013年HBA2歳トレーニングセール(1000万円)
いわずとしれた世界のマイル王。1600~2000mの距離ではここ数年で最高のパフォーマンスを見せている最強馬。最初に2012年1歳サマーセールにて150万円で落札され、育成を経て翌年の2013年のHBA2歳トレーニングセールで1000万円で落札された。国内外でG1レースを6勝し10億円以上を稼いでいる。
ブレスジャーニー
・2015年サマーセール1歳(250万円)
当時父バトルプランの種付け料はディープインパクトの10分の1位以下の120万円。1歳セールでの250万円では牧場の利益はほとんどないといえるだろう。それが今では重賞2連勝中のクラシック候補。ここまで負かした馬がスワーヴリチャード(2014年セレクトセールで1億5500万円)ショワドゥロワ(2014年セレクトセールで3600万円)、エルデュクラージュ(2014年セレクトセールで2900万円)など高額馬がズラリ。皐月賞や日本ダービーでどんな走りを見せるか注目だ。
ラブミーチャン
・2008年北海道サマーセールサラブレッド1歳(300万円)
オーナーは人気風水師のDr.コパ。2008年の北海道サマーセールサラブレッド1歳にて300万円で落札された。日本各地の地方競馬に参戦して合計34戦18勝。地方交流重賞を5勝もあげ約2億5840万円を稼いだ。NAR年度代表馬を2度も受賞した地方競馬を代表する名牝である。