ベテラン12歳馬・スマートギアが引退。サラブレッドの最高馬齢出走記録はいくつ
7日、JRAは2012年中日新聞杯(G3)を制したスマートギア(牡12歳、美浦・岩戸厩舎)の競走馬登録を抹消したと発表した。
スマートギアは08年1月にデビュー。これまでのキャリアは59戦にも及ぶ。重賞勝利は1勝にとどまっているが、09年には鳴尾記念(G3)と京都大賞典(G2)で2着、10年の京都金杯(G3)2着、12年にも小倉大賞典(G3)で2着に入線するなど、上位をにぎわせていた。
また15年からは障害にも挑戦し、昨年には1勝をあげる活躍を見せる。今後もキャリアを継続するものと思われていたが、今月2日に左第1指節種子骨々折が判明。9カ月以上の休養が必要と報じられていたばかりだった。
成績を見ると一線級とは言えないが、息の長い活躍をしていたためかファンは多く、「お疲れ様でした」「余生を楽しんでください」などと、ねぎらいの言葉がネット上では散見された。
12歳のスマートギアは競走馬としては異例のベテランに思える。しかし、スズカブリザード、サイモントルナーレ、マルカフリートなど、同じように10歳以上でも現役でレースに出走していた馬は多い。
そして、さらに上には上がおり、サラブレッドの最高馬齢出走記録は16歳6カ月20日だというから驚きだ。これは昨年11月に、ホッカイドウ競馬に所属するクラベストダンサーが記録。これまでオースミレパードが持っていた記録を、4日だけではあるが塗り替えている。
レースでは9頭立ての6着に終わったクラベストダンサーだが、同馬を管理する佐藤英明調教師は「netkeiba.com」の取材に対し、「長く走れる秘訣は気持ちが若いから」と語り、さらに現役については「来年については白紙。馬主の方と相談して決めたい」とレース後に話すなど、さらなる記録更新に含みを持たせている。
競走馬は4~6歳がピークとされており、10歳にならないうちにレース場から去ることがザラ。その中で、並みはずれて長い競技生活を送ったスマートギア。今後は北海道新ひだか町の岡田スタッドで繋養される見込みだ。余生では誰かと競走することなく、自分のペースでゆっくりと過ごしてもらいたい。