JRA【京都記念(G2)展望】手塚師「自信」のユーバーレーベンが始動!「大器晩成」サンレイポケット&「超良血」あの牝馬との三つ巴か
13日、開幕週の阪神競馬場では伝統の古馬重賞、京都記念(G2)が行われる。
同じく阪神開催だった昨年は、ラヴズオンリーユーが1年9か月ぶりの勝利を飾ると、その後は海外G1を3勝する大活躍。今年もこのレースから世界に羽ばたく馬が現れるだろうか。
昨年のオークス(G1)を制したユーバーレーベン(牝4歳、美浦・手塚貴久厩舎)は、これが今年の始動戦。オークス制覇後に軽い脚部不安を発症したため、順調さを欠いた秋だった。
ぶっつけで臨んだ牝馬三冠最終戦の秋華賞(G1)は、急ピッチの仕上げ。中身が伴っていなかったのか、スタートで出遅れると終始後方のまま13着に大敗した。
ひと叩きされた効果が表れたのは続くジャパンC(G1)だった。道中はコントレイルのすぐ後ろの中団外目を追走したが、直線入り口でやや窮屈になると内に進路を切り替えた。最後は鞍上のムチに応えて末脚を伸ばしたが、コントレイルとは0秒8差の6着。レース後、M.デムーロ騎手は「前走よりも馬にやる気があってオークスぐらいの気配」だったというが、まだ完調一歩手前だったか。
その後は放牧に出され、1月中旬に美浦に帰厩。1週前追い切りではクイーンC(G3)に出走予定だったソネットフレーズと併せて先着するなど順調に調整されている。
手塚調教師も手応えを感じ取っている様子で、『デイリースポーツ』の取材に「デビュー以来、一番の出来。本格化したというか、かなりのレベルアップ」と自信を見せた。
課題を一つ挙げるとすれば、関西圏への長距離輸送だろう。阪神JF(G1)と秋華賞で経験済みだが、3着に好走した阪神JFは、「-14kg」と馬体重を大幅に減らしていた。今回も当日の馬体重を気にしておいた方が良さそうだ。
ジャパンCでユーバーレーベンに先着したサンレイポケット(牡7歳、栗東・高橋義忠厩舎)も重賞2勝目を虎視眈々と狙っている。
3勝クラスを突破したのは5歳夏という晩成型で、オープン入り後も重賞で善戦を続けていた。昨年5月の新潟大賞典(G3)で重賞初制覇を飾ると、秋には古馬G1路線に挑んだ。
初G1となった天皇賞・秋で、勝ったエフフォーリアと0秒5差の4着に健闘すると、ジャパンCでも4着に食い込んだ。いずれも10番人気という低評価での好走だった。
ジャパンCではユーバーレーベンに0秒1先着したが、その時は4kgの斤量差があった。今回はその差が縮まるだけに、斤量だけ考えればサンレイポケットが優位か。
ユーバーレーベンと同じくこの馬もジャパンC後に放牧に出ていたが、1月中旬に帰厩。坂路とウッドを併用して、順調に調整されている。
春の古馬中距離G1へ向けてまずは賞金を加算しておきたいところ。一戦必勝態勢で2つ目の重賞獲りに挑む。
ユーバーレーベンと同世代の良血馬ジェラルディーナ(牝4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)にもチャンスがある。
母は2012年に牝馬三冠を達成したジェンティルドンナで、当然デビュー前から大きな注目を集めてきた。デビュー3戦目で初勝利を挙げると、果敢に阪神JFに挑戦したが7着に敗退。エルフィンS(L)でも10着に大敗すると、休養に入り、戦列に復帰したのは6月だった。
叩き2戦目で2勝目を挙げると、夏の小倉で1勝クラス、2勝クラスを連勝。さらに秋の阪神で3勝クラスも一発回答。3連勝で一気にオープン入りを決めた。
そして迎えたのが12月のチャレンジC(G3)だった。ソーヴァリアントに次ぐ2番人気に推されたものの、終始中団のインを突いた直線で伸びきれず4着。この日の馬場はやや外伸びだったため、着順以上の評価を与えてもいいだろう。
今回で6戦連続騎乗となる福永祐一騎手とのコンビで重賞制覇に期待したい。
“レッド軍団”の2頭も上位をうかがう。
レッドガラン(牡7歳、栗東・安田隆行厩舎)は、デビューから1600~1800mを中心に使われてきた。前走はマイル戦の京都金杯(G3)という選択肢もあるなか、あえて2000mの中山金杯(G3)に挑戦。これがズバリ的中し、重賞初制覇を飾った。今回はさらに距離を延ばして初の2200mでどこまで通用するか。
レッドジェネシス(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)は、前走の菊花賞(G1)で1番人気に支持されたが、後方から伸びきれず13着に敗れた。2走前の神戸新聞杯(G2)で2着に導いた藤岡康太騎手を鞍上に据え、巻き返しを期す。
この他には、「2-1-0-0」と阪神コースでは崩れていないラーゴム(牡4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)、2走前の京都大賞典(G2)で5年ぶりの美酒を味わったマカヒキ(牡9歳、栗東・友道康夫厩舎)なども勝利を狙う。
昨年のラヴズオンリーユーに続くのは果たしてどの馬になるのか。京都記念は13日15時35分に発走予定だ。