「負けて強し」は褒め言葉じゃない!?打倒ソウルスターリングへ向けて浜中騎手も意気込む一戦。「弱点」を抱えたレーヌミノルがフィリーズRへ挑む!
競馬関係の報道を観察していると、よく「負けて強し」という言葉を目にする。例えばスローペースで逃げ・先行馬に有利な時、最後方から追い込んで2着に好走した場合や、逆にハイペースで差し・追い込み馬が好走しやすい流れのなかで、前のポジションから踏ん張って馬券圏内を死守すると、そういった肯定的な評価を受けやすい。
要するに、展開が不向きななかで上位に食い込み、「負けはしたものの勝ちに等しい内容で、存分に強さを発揮している」馬に対して、この言い回しはよく使われるのだ。
しかし、である。競馬は1着に上がってなんぼの競技。2着を10回重ねても上のクラスに上がることはできず、逆に惨敗続きでもたった1度優勝するだけで、さらに高い賞金を獲得可能な舞台へ進むことができるのだ。
そういった意味で、「負けて強し」という言葉は単純に褒め言葉とだけ捉えるのが正確かどうか。場合によっては、どんな状況でも善戦する代わりに、なぜか勝ちきれない「ワンパンチ足りない」タイプとも言い替えられかねないのである。
今週末のフィリーズR(G2)に登場するレーヌミノル(牝3、栗東・本田優厩舎)は、まさしく「負けて強し」のレースを連発している馬だ。
3走前の京王杯2歳Sでは、抜群の手応えから早め先頭に立ち、直線半ばですでに楽勝ムード。だが、最後は後に朝日杯FSを2着に好走するモンドキャンノの末脚に屈して惜しくも敗れた。目標にされる展開と相手が強豪牡馬だったことを考えれば、まさに「負けて強し」と言える内容だっただろう。
2走前の阪神JFでも、現牝馬クラシックの最強馬と目されるソウルスターリングや、チューリップ賞3着のリスグラシュー相手に善戦。相手が強かったことに加え、自身初のマイル戦という状況から、これも「負けて強し」の称号を与えられてしかるべきレースだ。