JRAメイケイエールと同配合なのに「優等生な走りをしてくれました」!? フェブラリーS(G1)好走馬多数輩出の血統馬がメイクデビュー逃走V!

 いよいよ今週でラストとなった、現3歳世代の新馬戦。19日、東京競馬場の4Rに行われたダート1600m戦は、菱田裕二騎手の2番人気ミッキーレタス(牝3歳、栗東・高橋亮厩舎)が逃げ切って優勝した。

「道中先頭に立っても一生懸命にならず、リズムよく走ってくれました」

 菱田騎手がそう振り返った、フルゲート16頭立ての一戦。ミッキーレタスは6枠11番から好スタートを切って先頭に立つと、菱田騎手の言葉通りマイペースで逃げる。前半1000mを64秒3で通過すると、後続をやや引き付けながら4コーナーを回って最後の直線に入った。

 2番手グループにいたビーブルーとヒメカミノメガミが追ってくるも、差を詰めさせず。逆にラスト1ハロンで完全に振り切ると、その後も余力十分の手応えで先頭のままゴールを駆け抜けた。

「ここでは総合力が一枚抜けていた印象ですね。ミッキーレタスの母系は、エリザベス女王杯(G1)勝ち馬で、2001年のフェブラリーS(G1)3着のトゥザヴィクトリーや、04年のフェブラリーSで2着に入ったサイレントディールなどを輩出したフェアリードールの一族になります。

勝ちタイムの1分41秒7は、ひとつ前に行われた3Rの未勝利より3秒以上遅くやや平凡でしたが、底力を秘めた血統なので昇級後も引き続き注目しておきたい1頭です」(競馬誌ライター)

 ちなみにフェアリードールの一族には、他にもフローラS(G2)など重賞2勝を挙げたデニムアンドルビーや、クラスターC(G3)を勝ったオウケンビリーヴなど、芝ダートを問わずに活躍馬は枚挙にいとまがない。

 ミッキーレタスも今回はダートで勝ち上がったものの、スタートしてしばらくの芝の部分では抜群のダッシュ力を見せていたことから、今後は芝を試してみるのも面白いかもしれない。

 また、本馬は父ミッキーアイル×母父ハービンジャーという血統構成だが、これは先月行われたシルクロードS(G3)を優勝したメイケイエールと同じ配合でもある。

 この組み合わせはJRAでデビューした3頭全て勝ち上がっていることから、種牡馬ミッキーアイルの成功パターンなのかもしれない。メイケイエールは重賞4勝、本馬の全兄ミッキークイックも既に2勝を挙げているので、ミッキーレタスにもそれなりの出世が期待できそうだ。

「最後の直線も余力十分、優等生な走りをしてくれました」

 レース後、そう高評価するコメントを残した菱田騎手。メイケイエールと同配合ということは気性的な部分も気になるところだが、現時点では特に問題はないようだ。血統的な魅力がたっぷりと詰まったミッキーレタスの今後の走りに注目したい。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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