JRA 「本来の走りではない」武豊、期待のクラシック候補まさかの結果にガックリ……!? ダービー路線どころか目の前の1勝が遠い現実
「この馬の能力を考えると本来の走りではないです」
デビュー時から期待していた馬だけに、落胆の度合は大きそうだ。
26日、中山競馬場で水仙賞(1勝クラス)が行われ、3番人気のロードレゼルが優勝。鞍上の三浦皇成騎手は「初戦、2戦目で教えてきた経験が生きましたね。これからもっと良くなりそうです」と、喜びを露わにした。
9頭立てと少頭数ながら、3連単の配当は45万円となった水仙賞。波乱を生んだ原因の1つに挙げられるのが、武豊騎手の2番人気トゥデイイズザデイ(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎)が4着に敗れたことだろう。
本馬はディープインパクト産駒で、昨年9月に新馬勝ちを収めた素質馬だ。デビュー勝ちを収めた直後の武騎手は「いいデビュー戦でした。期待通りの走りで能力を感じます。乗り味のいい馬で、これからが楽しみです」と、絶賛していた。
しかし、続く2戦目の京都2歳S(G3)はスタートで後手を踏んだことや道中の不利を受けて6着と惨敗。1番人気の支持に応えられなかったどころか、新馬戦で2着に下したジャスティンロックに勝たれてしまう痛恨のレースだった。
仕切り直しで挑んだ前走の梅花賞(1勝クラス)は、競走除外などで異例の4頭立てと絶好の2勝目のチャンスだったが2着に惜敗。今回の水仙賞は、春のクラシック挑戦へ何が何でも勝ちたい一戦のはずだ。
戦前の池江厩舎のスタッフは、前走について「早めに先頭に立つとフワッとしてましたし、馬場が悪くて走りづらい面もあったようです」と、馬場などに敗因を求めている。その上で「在厩調整で順調に乗り込めましたし、能力的にもあっさりがあって不思議ない馬」と、自信を見せていた。
1番人気の座こそ明け渡したものの、差のない単勝2.6倍の2番人気の支持を受けたトゥデイイズザデイは、まずまずのスタートから後方6番手を追走。道中も時折難しそうな面を見せながらも、武騎手が何とか宥めて直線へ。
しかし、最後の直線では武騎手のステッキが数発入るも、ジリッジリッとしか伸びず。先行していた最低人気の馬さえ追い抜くことができず、馬券圏内にさえ入ることが叶わなかった。
「伸びてはいるのですが、スパッと切れる脚がないですね。武騎手が『道中の余計なところで噛んだりしていました』と、話すところから精神的な問題もありそうです。素質はあると思いますが、苦しいレースが続いていますね」(競馬誌ライター)
『スポーツ報知』によると、池江師に本馬がダービー路線を歩むのか尋ねたところ「まずは目の前の一戦に勝つことでしょうね」と、返答があったという。今回は必勝を期しての東上競馬だったと思われるが、春のクラシックへ黄色信号が灯ってしまった。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……